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建築めぐり・銀ぶら編!


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去る12月3日は、当社企画の建築めぐり・銀座コースでした!

前回の表参道は季節外れの台風に悩まされ、大雨の中で決行。参加の皆さんにも本当に寒くて気の毒なことをしてしましました。

その雪辱を果たすかのように、今回の銀座コースは快晴!天は我々の味方でありました(^^)

今回も満員御礼! ご参加ありがとうございました!

ここだけの話ですが、実は私けっこうな雨女なのです。例えばプライベートでディズニーランドへ数回行ったことがありますが、良くて曇り、あとは雨や台風までも!逆に海外ではほとんど雨に降られることがないので、海外限定晴れ女。日本国内とはあまり相性が良くないのかも。そんな気がかりがあって、今回もまた雨だったら、次回からは私は表立って参加せず、こそっと陰から皆さんを見守っていようかと考えていたほどなので、晴れて本当に良かった(^^;;

さて、本題に入りましょう。

銀座は表参道とならび、名立たるブランドショップが軒を連ねるオシャレの発信地ですね。

関東周辺に住んでいて銀座に行ったことがない人はいないのでは?以前は「高級」イメージが強くて敷居が高い雰囲気が漂っていましたが、それでも一度は行ってみたい、そんな憧れの土地。ふだんはもちろんショッピングや食事に銀座へ出かけますが、今回は「建築物」がテーマです。見るべきものはウィンドウではなく、建物そのもの!これは斬新な感覚ですね(^^)

数寄屋橋の東急プラザをスタート地点に、晴海通りから四丁目交差点、そして日曜日は歩行者天国の中央通りを七丁目あたりまで行き、いったん裏通りへ入り二丁目あたりでまた中央通りへ戻りティファニーでフィニッシュのコースでした。

江戸切子をイメージした東急プラザ

こんな書き方をすると、知らない人から見れば「この人、銀座博士?」と思うかも知れませんが、実は銀座はとても簡単。東京駅寄りから順番に1丁目、2丁目と進み、有楽町から築地に向かう晴海通りとぶつかるのがちょうど真ん中の4丁目交差点、そして新橋の隣が8丁目で銀座が終了。とても分かりやすい区画なのです。

この素人でも分かりやすい区画は、さかのぼること明治の初め。大火を機に都市計画に抜擢されたアイルランド人建築家(本当は土木専門…)が西洋風レンガ造りの建物と街区割りを創りました。彼は道路幅を中央通りは15間(=約27m)、晴海通りは10間(=約18m)に設定し、それ以外の横町や裏通りは8間(=約14m)や3間(=約5.5m)としたのですが、その区画が140年以上たった今でも変わらず残っているということでした。当時の流通は川がメインで、銀座も川で囲まれていました。だから「数寄屋橋」「日本橋」「新橋」「鍛治橋」など、すべてかつては川にかかっていた橋の地名なのですね。その後、1964年の東京オリンピック開催に向けて都市インフラ整備が急速に進められることとなり、銀座を囲んでいた川や堀が埋め立てられていきます。「かつての川の場所に現在は首都高が走っている」と教えていただき、「なるほどー!」と一同うなずいておりました(^^)

ティファニー前には銀座発祥の碑

ちなみに数寄屋橋交差点にあるソニービルは現在解体工事中です。新しく建て始めるのは次の2020年東京オリンピックの翌年以降だと。今までのソニービルは前回1964年東京オリンピックの翌年から建設したことにも合わせているそうで、縁起担ぎというか演出家というか、ソニーも可愛いですね(^^)。オリンピックが終わるまでは、この場所を広場として街を訪れる人に開放するようです(※銀座のいちばんのテーマである「街に開く」の一例)。

解体工事中のソニービル。次にお目にかかれるのは東京オリンピック後

そういう話から今回もたくさんの裏話が飛び出しました!(ここでは書けないオフレコ話ばかりです。笑)

前回表参道を歩いて、今回銀座を歩いてみると、町の雰囲気が異なるのが感じられます。それは何だろうと思っていましたが、どうやらビルの「高さ」なのですね。はじめ銀座では建物の高さを100尺=約31mに制限していたそうです。そのため古くから残る「和光」や「三越」は確かに31m(和光の時計台部分を除く)。

その後、「地区計画・銀座ルール」なるものができ、56mまで許容されたため、大通りには次々と56mの建物に変わり始めた、ということです。その56m第1号が資生堂ビル(2000年)。そしてかつて日産ギャラリーと呼んでいた四丁目交差点にそびえる「GINZA PLACE」ビルは、全体の高さは56mですが、31m地点にいったん区切りを作り(テラスを設置)、対面する三越や和光と高さを合わせる配慮までしているというから、なんと粋なのでしょう!

31m地点にテラスを設けて既存の和光や三越と目線を合わせたGINZA PLACE

この銀座ルールについては、数年前に某社が190mもの高層ビルを建てようとして大問題になったことがあり、すったもんだの挙句、街の人々の強い意志により56mで落ち着いたそうです。なぜなら、銀座は「街に開く」を理念に、つまり銀座を訪れる人に街のにぎわいと温かさを感じてもらいたい、というのが銀座の希望であり、高層ビルの閉鎖的なつくりは銀座にふさわしくない、ということなのですね。

ヨーロッパの街歩きをすると、町や村がとても整っている気がします。同質というのか。高い建物は建てないとか、街灯はどうするとか、もちろんゴテゴテした看板広告なんて景観を損ねるだけなのでよほどの商業地域以外ではほとんどお目にかかりません。対して日本は、どうもその辺りの感性が足りないのか、みんな自己中心的なのか、建物がバラバラで街並みがまるで整っておらず、美的感覚的に堪えられないものを常に感じておりました。

それなので、こういった「銀座ルール」の成り立ちを聞くと、銀座という街を愛する住民たちが勝ち取った誇りなんだなと、心温まる気持ちになります。だから私は銀座が好きなのかも知れません(^^)

銀座ルールにより高さがそろったおかげで、訪れる人に優しい開放的な印象が保たれた。

このように高さが決まっているので、銀座の建物を特徴づける大きなポイントはファサード(正面の外壁)かもしれません。今回見学した建物の多くがファサードや外壁にテーマを持っていました。「江戸切子」「銀座のランタン」「竹と竹の葉」「ひさしとのれん」といった「和」や「東京」を意識したものや、ブランドや商売内容を意識した模様を壁面に描いたりしていて、まるで巨大な現代アートミュージアムのようです!

この中でひとつ、とっておきの内緒話をご紹介しましょう!

エルメスのビルを覆っているのは45cm角のイタリア製特注のガラスブロック。なぜ特注かというと、通常は15cmとか20cmとかが一般的だからだそうです。ならば、なぜ45cmにこだわったか?エルメス好きならもうお分かりかも知れませんね(^^)。そう、エルメスのスカーフがその大きさだから、なのですって!これまた粋な!!

スカーフ大のガラス、壁面ところどころにウィンドウディスプレイもある

さらには、ビルの頂上にエルメスの馬がいます。正直なところ、今までそんな上まで見たことがありませんでした!その騎手が手にする旗は、今シーズン一押しのエルメスのスカーフだそうで、毎シーズン替えるそうです。頑張ってズームで撮りましたがさすがに模様までは見えませんでした(^^;;

ビルのてっぺんにはスカーフと馬!

そのように、ふだんは1階部分のしかもウィンドウしか目にしていなかったビルが、こんなにいろいろ主張をもっていたとは!それを知っていたら、銀ぶらが二倍も三倍も面白くなりますよね。

教えていただいた話を友達に自慢したくなりませんか?(笑)

当社の建築めぐり、講師を担当してくださる三村先生が、こんな感じで毎回たくさんのオモシロ裏話や知られざる事実を仕入れてくださいます。それが楽しみで、早くもリピーター続出!私は主催者なので、こんなに貴重な話をタダで聞かせていただき、本当に得させていただいております(^^;;

そういえば、先生の貴重な情報を少し皆さんにもお教えいたします。

というのが、もう「これで見納め」物件だからです。

例えば、ルイ・ヴィトン並木通り店。2004年にできたこのビルの外壁は白い大理石を打ち込んでほんのり明かりがつくような美しい建物でしたが、2018年1月、本当にもう間もなく建て替えが始まるそうです。今月が最後の見納めです!

今月末で見納めのルイ・ヴィトン並木通り店

そして番外編でしたが、数寄屋橋交差点にある交番(KOBAN)は珍しく建築家が設計したもので、さらにはその屋根の上についている「マチ針」の逸話で有名な交番です。逸話とは…設計した山下和正氏が「屋根の上に後から飾りをつける」と言ってとりあえずモデルの屋根の上にマチ針を刺して提出したら、それ(マチ針)が通ってしまった!あわてて修正を求めるもそこはお役所、一度決まったことは取り下げられないと。マチ針に予算が下りてしまい、そのまま実施とあいなったそうです(^^;; 爆笑です!

一躍有名になったマチ針の交番

ところがこの交番も来年か再来年に建て替えられてしまうそうです。笑いのネタがなくなり、かなり残念です。この日本一大きな「マチ針」も見納めです!

みなさん、今年のうちにカメラを持参して銀座を歩きましょう!そして、とりあえずは数寄屋橋交番「マチ針」とルイ・ヴィトンのファサードをしっかり画像に収めてくださいね!

そうそう、見納めとは違いますが、ブルガリの外壁にへばりついている蛇も、この時期限定だそうです!(確かに10月に下見に行った時にはいなかった!) こちらもクリスマス限定として、ぜひついでにカメラに収めてみてはいかがでしょう(^^)

季節限定のブルガリの蛇

見学の後はいつものように交流会です。夕方日が暮れると寒くなり、冷えた体を温めるながら先生を囲んでの談笑が尽きません(^^)

日曜の夕方、休息を求めるお客さんで混みあう時間帯に、快く場所を提供してくださった「アメニテギンザ」さんにも感謝です!雑居ビルすぎる外観からは想像できないレトロな雰囲気を醸し出す素敵なカフェです(^^)

アメニテギンザ

そして建築家の三村先生(Malo Planning Inc. 代表)、今回も楽しいお話をありがとうございました。次回もよろしくお願いします!

MALO PLANNING INC. 

交流会が終わるとちょうど街に明かりが灯り出していました。今回見学した建物たちは、夜がずっと美しいですね。今度じっくり夜の散策をしてみたいと思います!

次回の建築めぐりは、丸の内&日比谷コースです。明治~昭和中期までの近代建築が中心となります。これまでの表参道、銀座の現代建築とはガラリと雰囲気が変わりそうで、今から楽しみです。

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建築ツアーin TOKYO

http://i-travel-square.tokyo/travel/japan/tokyo/building/archtour/

ぜひ皆さんもご参加くださいね!

 

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