いよいよ年末、今年もあと10日で終わります。
皆さんはどんな一年でしたか?
今年最後の旅行はプライベートでベトナム・ホーチミンへ行っておりました。
友人とアオザイを着て、ローカルフードを食べ、いろいろ買い物を楽しむ!はずが…
あろうことか、現金を盗まれてしまいました!
しかも、チャーターした車のドライバーに!!
旅行会社として不覚の一語に尽きるのですが、年末年始、これから海外旅行へ出かける方も多いと思いますので、恥を忍んで苦い経験をお話しします(><)
滞在3日のショート・トリップ。初日は市場へ出かけいろいろお買い物。2日目にアオザイを着て素敵な場所で写真撮りましょう!と計画していたので、さっそく市場にてアオザイを仕入れる。オーダーメイドのお店もありますが、次回着る機会があるとは思えない。市場にはデザインも色もサイズも豊富にたくさん置いてある。しかも2000円前後!レンタルより安いかも!!安いと必要以上に買ってしまいそうですが、そこは断捨離世代、冷静な判断を保って、必要な分だけしか買わずに済みました(^^;;
2日目の午前中、ホテル近くの旅行会社へ赴き、午後の市内観光のため車をチャーターしてもらいました。海外(特に日本以外のアジアや中東、中南米、アフリカなど)では値段交渉は基本なので、旅行会社から提示された値段より少し安くお願いして交渉がまとまり、お金を払ってOK。
時間となり、チャーターした車で市内観光へ出発。アオザイを着た綺麗なお姉さん(笑)が2人なので、注目度ナンバーワン!それはそれは得意になって行く先々で写真撮影しまくっていました(^^;;
はじめはバッグを持参して車から降りていたのですが、撮影時に何かと邪魔。しかもアオザイはふんどしみたいにペラペラ垂れているので、車の乗り降りがしにくくて、何となく荷物を持ちたくない気持ちになったのが不幸の始まりでした。
友人と相談し、旅行会社で手配したチャーター車だし大丈夫よね、ということで、ドライバーに「荷物を置いて行ってもいい?」と確認し、車中にバッグを残してドライバーに見ていてもらうことにしました。撮影時間はだいたい1か所につき5分~10分程度。車からさっと出て、バチバチと写真を撮りまくり、ささっと戻ってくる。ある時点から、ドライバーが一緒に降りてきて、写真撮影を手伝ってくれたので、親切な人だねーと感心し、最後にはチップまであげて終わりました。
これで終われば良かったのですが、残念ながら終わりませんでした…(><)
観光後、アオザイを脱ぐためホテルへ直帰。ついでに友人との共通財布と自分の財布の計算をする…おや?おかしい。午前中に市場で服を2着買っただけで、その後は自分の財布からお金を出していないのに、40万ドン足りない(=約2000円。ベトナムも桁が多い!)。何度お金を数えなおしても、本当に服2着だけだったか思い出しても、どうしてもお金が合わない。急に不安になって、共通財布の方も確認したら、現地通貨は金額が一致。しかし、その横に入れてあった私の米ドルが50ドル足りないことに気づいた。なぜ気づいたかと言えば、もちろん最初にいくら持ってきたか把握していたのと、ホテル代をきっちり分けて、さらに100ドル札1枚+20ドル札や10ドル札の組み合わせで100ドル分=合計200ドルを持っていたのに、ホテル代の中から10ドル札が1枚なくなっており、細かい100ドル分から40ドル分がなくなっていたのです。
あー!やられた!!
もう半分パニックです。すぐに友人の部屋へ行き、「どうやらお金を盗られたみたいだが、そっちは大丈夫か確認して」と。すると、友人も同様に40万ドンと1万円を盗まれていました。
もし盗られたのが私の40万ドンだけだったら、どこかで落としたか、財布を出した時に抜き取られてしまったか、自分の不注意でしょうがないと諦めていたでしょう。しかし、私と友人、2人の2つずつの財布、つまり4つの財布から同時にお金だけを抜き取って、財布を元通りにバッグに戻せることができるのは、ただ1人しかいない。
そうです、犯人は間違いなくチャーター車のドライバーです!
※ ここにドライバーの情報を掲載します。少なくとも皆さんがホーチミンでこの悪質ドライバーに遭遇しないように。そして、現地旅行会社に手配してもらうとき、このドライバーを拒否してもらってください!
手口は実に巧妙です。40万はおそらく20万ドン札と10万ドン札の組み合わせで抜いているはず。そのお札は財布の中に大量に入っていたので。そして私の米ドルは10ドル札と20ドル札の組み合わせ、これも財布に複数枚入っていた。逆に1枚ずつしか入っていない100ドル札と50ドル札には手を付けていない。友人の1万円も複数枚あった1万円札の中から1枚。つまり、何枚もある中から抜いているので、ちょっとぼーっとした人だと盗られたことさえ気づかずにいるような盗み方なのです。さらに、バッグを車中に最初に残して出た時は、10分ほど経過してからドライバーも車から出てきて我々の撮影を積極的に手伝ってくれました。その時は「親切だ」と感心していたが、今思えばあれは「自分も車中にはいなかった」と言うためのアリバイ作りだったのですね。そしていざ盗みが見つかった場合は「自分も一緒に降りていた時に、誰かが盗んだのだろう」と言うために。
盗まれたことが発覚し、すぐに手配した旅行会社へ通報に行き、責任追及しました。
はじめ旅行会社は関わりたくない、面倒くさい、という態度ありありで、「貴重品を車に残したあんた達が悪い。他人を信用したあんた達が悪い」と。さらに「200万ドン(1万円)なんてたいした金額じゃないじゃないか」と、なんでその程度の金額でそんなに騒ぎ立てるのかという顔で言い放った。これでついに私たちは逆上!もう許さない!「ドライバーを今すぐ呼び戻せ」と激高した我々2人は旅行会社で怒鳴り散らす。しかしドライバーはその日は戻ってこず、翌朝来ることを約束させた。
被害総額、私と友人と合わせて、約2万円。せっかくアオザイをレンタルもオーダーメイドもせずに市場で節約し、市内観光チャーターを値段交渉して少し安くしてもらったのに、その何倍ものお金を盗まれてしましました。こんなことなら、さっさともっと買い物をしておけばよかった。気持ちが沈んでその後は観光も食事も気乗りできませんでした(><)
そして翌日は、朝からもう戦争のようでした。
この時点で、盗まれたお金は戻ってこないだろうと諦めた。しかし泣き寝入りはしたくない。こんな悪質なドライバーを放置すると、また被害者が続いてしまう。そこで、帰国後にベトナム大使館と観光局へ通報することを決意し、警察で調書を書いてもらうことにしました。そのためにドライバーと旅行会社の責任者を引き連れて交番へ。そこでもさすが社会主義国の公務員は「面倒はご免」の態度全開。うっとうしい外国人、あっち行けの態度だったが、ひるまない我々はついに警察署でも怒鳴り散らす。
こういう時、優しい態度ではダメですね。特に相手が下っ端の時は。
「責任者出せ!本部はどこだ?」と大声で一喝したら、周囲にいたベトナム人は全員凍りつき、上役らしき人が慌ててやってきて、「まあまあ、落ち着いて。私が責任もって対処するから」と。
そしてようやく調書を書き、書類は2日後にできるから(つまり帰国後)旅行会社に受領してメールで送付してもらうことを約束して終了。朝から半日かかりました。
単純に損害保険申請のための「カメラを盗まれた」「パスポートを盗まれた」といった被害届だけだと事務的にやるのでしょうが、現金盗難の場合は損害保険ではカバーされず、現物が消えてしまえば本当に盗まれたか証拠もなく警察でも相手にしてくれない。それをなんとか動かすためには交渉が必要で、現地の言語を話せる人を連れていかなければ難しい。我々はすべて英語で状況説明から怒鳴りあいまでやり、それを旅行会社が通訳してくれる。調書も英語で記入し、旅行会社がベトナム語に翻訳してくれる。本当に大変な作業でした。
犯人は、あの手口の巧妙さから考えて、過去にも何度も盗んでいる常習犯だと確信。なぜなら、財布ごと抜き取らず、パスポートやクレジットカードに手を付けないのも、足がつくことを避けるため。盗んだお金も2人で2万円相当額、これだと時間のない人なら簡単に諦める金額。こうして、このドライバーは今まで、ちょっとずつのお金を何人ものお客さんから盗み続けてきたのでしょう。旅行会社いわく、あのドライバーは車を2台持っていて決して貧しくないのに何でだろう?と。「いいえ、違います。こうやって長年何度も盗みを働いてきたから、車を2台も所有できるのでしょ」と友人が指摘。旅行会社のスタッフたちも納得の表情。
今年最後の楽しいはずのプライベート旅行が、とんだ結末となりました。
しかし、どうでしょう?
確かに貴重品を車中に残したのは不注意だと言われればそれまでですが、しかし、いったい誰が「旅行会社が手配したチャーター車のドライバーが盗みを働く」と想定するでしょうか?今まで何度も車をチャーターしてきましたが、こんな悪質なドライバーは一人もいませんでした。
もう、ここまでくると、誰も信用できなくなりますよね。
本当に悲しい世の中です。
教訓としては、
- やはり、海外へは必要以上の現金は持ち歩いてはいけませんね。
- そして、現金、クレジットカード、パスポートは、何があっても、どんなに相手を信用していても、必ず肌身離さず持ち歩く。(こうなったらもうパンツの中に隠すしかないのか?)
- それから、几帳面にお小遣い帳をつけて、入出金と手持ち現金を頻繁に確認していくのも必要。それをしておけば、盗まれたかどうか、すぐにわかります。
- 最後に、決して他人を信用してはいけない。残念ですが…
今回私は被害者の立場でしたが、加害者は旅行会社に関係するドライバーです。旅行会社が不正を働いたも同然と言われても仕方ないです。
最近は日本の旅行会社でも、計画倒産よろしく自転車操業でホテルや航空券が無効になりお客さんに大損害を与えたり、コスト削減のために1人のドライバーに無理な長時間運転をさせて事故でお客さんを死亡させたりという、信用を失墜させるケースを時々聞くようになりました。
これらのケースは「目先の利益だけを追い求めてはいけない」という反面教師です。
今回私は個人的に悔しい思いをしましたが、これも一つの教訓と考え、当社は小さい旅行会社ですが、お客様を大切に、これからも誠実に運営していかなければならないと再認識しました。
これから年末年始、皆さん多くの方が海外旅行へ出かけることでしょう。
これでもかと注意していても、想定外のケースが起こるのが海外旅行です。
盗難事故などに遭って悔しい思いもするかもしれませんが、それも勉強代だと思い、今後に生かすよう早めに気持ちを切り替えて、残りの旅行を楽しむよう頑張ってください。
最後のオチです。こんなイヤなことがありながら、食欲がないとか言いながら、短期間でけっこう食べていました。
その結果…各々1万円盗まれて、体重が1kg増えていた。
恐るべし、ベトナム! ダブル・ショック!!
さあ、イヤなことは今年に置いていき、来年はその分良いことがたくさん起こりますように!
それでは皆さん、良いお年を!
来年もまた、どうぞよろしくお願いいたします(^^)/
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