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キルギス、シルクロードの親日国!


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予告通り、先週はキルギスへ行ってきました。

さて、キルギスってどこにあるでしょう?(笑)
名前だけ聞くとキリバス(これも知らん…)とかアフリカみたいなイメージですか?
答えは中央アジア。え?中央アジアってどこ?ですよね、どこまでも疑問の連続…(^^;;
日本人にとって中央アジアでいちばん有名なのはウズベキスタン。数年前からにわかに人気が出て、団体ツアーもたくさん出ています。

でも、いつものように、私は(当社は)みんなが行くところには興味がない(^^;;
よく「スタン」のつく国が面白いと旅好きの人が言いますが、キルギスは昔はキルギスタンでしたが、今はキルギス共和国で、「スタン」を取りました。
もともと「スタン」とは「州 State」の意味で、ソ連時代のキルギス州ってことですね。
いまは独立したので、「スタン」がないのが正解です(^^)

遊牧民の国、キルギス!

さて、そんなキルギス。
某地球の歩き方では中央アジアで一冊にまとめられ、ボリュームも薄い。さらにキルギスに至ってはほんの25ページ。日本人にはほとんど情報が入ってきていない未知の国です。

キルギスはたったこれだけ!

そんな国に1週間も、いったい何をするんですか?って思いますね、私も思っていました(^^;;
ところが、ところが!

さて、本邦初(笑)、キルギス大公開です!!

現地ガイドさんに「キルギスの見どころ3つあげて」と無理なお願いをしたら、①天山山脈、②イシククル湖、③オッシュと言いました。どれも日本人にはピンと来ない?(^^;;
天山山脈は中国ウイグル地区から中央アジアへ伸びる雄大な山脈。かつて三蔵法師がインドへどうしても行きたくてこの山脈を越えて来たという、シルクロードのロマンたっぷりなルートです。
それからイシククル湖。これは天山山脈に囲まれて広がる、琵琶湖の9倍もある大きな湖。透明度はバイカル湖に次ぎ、海抜約1600mにあるが冬も凍らない不凍湖、そして周囲から118の川が流れ込むのに、イシククル湖から流れ出る川ががひとつもないため、少し塩水の湖なのです。
このイシククル湖と天山山脈は、旅行の前半、ずっと、どこまでも、いつまでも見えていました!
もうひとつの「オッシュ」は今回訪れませんでしたが、南部にあるキルギス第2の都市、世界遺産の「スレイマン・トー聖山」が有名な町です。

どこまでも続く天山山脈とイシククル湖
びわ湖の9倍、穏やかな海のよう!冬でも凍らない。

今回の足取りは、
1日目:アエロフロート航空でモスクワ経由の移動
2日目:早朝ビシュケク到着、そのままタムチ村へ
3日目:タムチ村→チョルポン・アタ(岩絵博物館)→カラコル(ドゥンガン・モスク&木造教会)→スカスカ→ボゴンバエバ村
4日目:ボゴンバエバ村→コチュコル村(燃える水&岩塩サナトリウム)
5日目:コチュコル村→トクモク(アク・ベシム&ブラナの塔:世界遺産)→ビシュケク
6日目:ビシュケク(ノールズ祭り&伝統騎馬ゲーム)
7日目:ビシュケクからアル・アラチャ自然公園へ日帰り
8日目:ビシュケク(フルンゼ博物館&オッシュ・バザール)→アエロフロート航空でモスクワ経由
9日目:帰国

長い!そして意味不明な文字の羅列!(笑)

まず、アエロフロート航空は失敗でした。
ビシュケクへ直接入る飛行機はこれぐらいしかなく、しかも安かったのでチョイスしましたが、モスクワまで日本と時差マイナス6時間、モスクワからビシュケク時差プラス3時間、つまり、ずいぶん遠くまで行って戻ってきたのです。乗っている時間も10時間+5時間、乗継を入れると18時間ぐらいになる!現地旅行会社さんは「アシアナが良い」と言っていました。それだと韓国まで2時間+その先隣国カザフのアルマトイまで5時間。ずいぶん早いじゃないか!それなのに、アエロフロートの方が安い。値段で選んで、ずいぶん疲れてしまいました。
また、ロシア人はかなり太った人が多く、ひじ掛けを占領されるのは当たり前、体も足もはみ出してきます。私の隣はロシア人ではなくどうもロシア語を話す日本人っぽかったのですが、ロシアずれしているのか、腕も足もかなりはみ出してきて、終始密着状態で、まるでセクハラか?と思うほど不快なフライトでした。また、モスクワ乗継後のマイナー路線では英語理解率が5%ぐらいに減り、乗務員&乗客にかなり場末感が漂っていました(-_-;; 行きも帰りも飛行機が遅れて乗継で走ったし、荷物が乗り遅れて翌日になってしまったし、実は期待していただけに、ちょっと残念な思いでした。
なにもアエロフロートのすべてがNGなのではなく、ジャンボが飛んでいる主要路線はまあまあですが、ビシュケクのようなマイナー路線は要注意です。そして乗継時間はやはり最低でも2時間はあった方が安心ですね。フィンランド航空も乗継1時間ほどが多いですが、確かに以前空港を走り回りました。
皆さまの今後のご参考にしてください。

朝まだ暗いうちに到着、ビシュケク・マナス空港

さて本題の旅行。
この旅程の中で、いきなり最初の「タムチ村」がガイドブックに載っていない。「コチュコル」もない!いったいどこですか?とりあえず、ガイドさんに連れられて行くしかないのです(^^;;

旅程を読んでいて、最初に目を引いたのではないかと思われるのが…
スカスカ」!!
何それ!(^^;;

実はこれ↓

「スカスカ」とはロシア語で「おとぎ話」。岩の形がおとぎ話に出てくるような動物(竜とか)に見えるものもあるから、そういう名前になったとか。真ん中の写真はアナ雪の氷の城のモデルになった岩だとか。その昔、イシククル湖はこの岩場まで水があったそうです。地層がすごい!「キルギスのグランドキャニオン」と呼ばれているそうです。
幹線道路から入る脇道がかなり狭くて、大型バスでは不可能。だから団体客は来ないし、日本人はめったに訪れないと言ってました!
いちおうガイドブックに写真が一枚載っていたが、まさかこんなに奥行きがあり、こんなに迫力があるとは思ってもみなかった。
とっておきの場所です(^^)

それから今回の視察旅行の最大のテーマである「ノールズ祭り

てっきりイスラムの新年を祝うお祭りだと思っていましたが(地元の人も勘違いしている人が多いようです)、実はゾロアスター教の新年のお祭りなのだそうです。
キルギスは古代はシャーマニズム信仰で、その後ゾロアスター教(拝火教)がペルシャから入ってきて、次にチュルク族(突厥)によりイスラム教がもたらされる。ソ連時代は社会主義に専念するため宗教を禁止していたらしく、そのため人々はノールズは直前のイスラム教に由来すると勘違いしているそうです。(実はその話を在キルギス ロシア大使がお祭りの祝辞で説明してくれていました)

【動画】ノールズ祭り、ロシア大使の祝辞

アラトー広場、キルギスの英雄「マナス」の像の前で、民族の祭典が始まりました!

【動画】ノールズ祭り、オープニング

【動画】ノールズ祭り、キルギスの起源

【動画】ノールズ祭り、遊牧民オリンピックのテーマ曲

子供たちが民族衣装に身を包んで踊る姿、いつもはロシア語が公用語なのにこの日ばかりはお偉いさんもイベント出場の歌手もみんなキルギス語で話していたこと、そういった強い民族意識を感じさせてくれるお祭りに参加して(外国人はほとんどいない)、ついつい感動して涙腺が緩んでしまいました(^^;;

ノールズ祭りの日限定の「スモレク」という水飴みたいな液体。小麦粉を発行させて煮詰めて作ったもの。公園でたくさん出店がありました。案外美味しいです(^^)

もうこれだけでも十分ですよね(^^;;

他にも私が面白い・素晴らしいと感じたところを挙げておきます。

  • 岩絵博物館
  • ドゥンガン・モスク木造教会(トリニティ教会)
  • タムチ村の銀行…やってるのか不安になる(^^;;
  • 岩塩サナトリウム
  • アル・アラチャ自然公園と秘密の山のホテル
  • フルンゼ博物館(ロシア革命で活躍したキルギス出身の革命家)
  • 出会い(^^)
  • 動物…
  • 食べまくったキルギス!(また)

えっとですね…これだけ食べて太らないわけがない。
案の定、体重増加です(^^;;
でも、旅の楽しみに食べ物は欠かせません。
しかも民宿ではレストランでは出てこないキルギスの家庭料理を味わえます!
時々微妙なのもありましたが、90%は食べやすく美味しい料理ばかりでした!!

ところで、皆さまの旅行の目的って何でしょう?
まず観光ですよね。次は…?
自然、食べ物、美術館・博物館、エンタメもよくある目的。

今回のキルギスも、もちろん観光地(世界遺産含む)はあるし、至るところ大自然だし、食べ物は魚は少ないが肉は豊富で野菜もたくさんある、博物館は外にむき出しのものからちゃんとした室内のものまで、エンタメだって実は旧ソ連だけあってバレエやオペラから最近のニューエイジまでいろいろあります。

でも、私が今回、いちばん強調したいのは、現地の人々との交流。
なぜなら、キルギスの親日レベルが半端ないほど高かったからです!!
今まで台湾が一番と思っていたが、それをはるかに上回る親日レベルです!!
こんなに嬉しいことはありません(^^)

我々日本人にとって中央アジアとはシルクロードの通過点ぐらいの認識しかなく、ほとんど情報も馴染みもないキルギスですが、キルギス人は日本人にとても好意を持っています。

なぜだろう?

理由はいくつか。
ひとつは、人種のルーツが同じと考えられているから。
モンゴロイド特有の「蒙古斑」の話が旅の途中でも出てきました。
遊牧民のキルギス人はモンゴルがルーツ、「魚を追って東へ行ったのが日本人、動物を追って山に向かったのがキルギス人、だから我々は祖先が同じ兄弟なんだよ!」と事前に本で読んではいましたが、まさか本当に現地で言われるとは思ってもいませんでした(^^;;

江戸村みたいなキルギス村の自称「キルギスのサムライ」さんが「蒙古斑」の話をしてくれた。
岩塩採掘所のおじさんは「東へ行ったのが日本人、山へ行ったのがキルギス人」の話をしてくれ、君と僕は同胞だとハグしあいました(^^)

他にも、日本人は礼儀正しく真面目で仕事が正確だから、アジアでいち早く先進国になったことをとても尊敬しているようです。
かつて、第2次大戦後にシベリアで捕虜となった日本兵が中央アジアにも連れてこられ、キルギスの山奥でサナトリウム建設に携わっていたようですが、その実直で高い技術の仕事ぶりに地元の人々はいつしか同情の念を持つようになり、食べ物を分けてあげたり親切にしてくれていたとか。そのお礼に手先の器用な日本人捕虜は子供用に木のオモチャを作って軒先にそっと置いていたとか。そういう心温まる交流が実は70年ほど前にあったのですね(^^)
その時のサナトリウムは現在も利用されているそうです。
また、日本から多くの経済支援を受けていることを国民はよく知っていて、そのことをとても感謝しているそうです。

もちろん周辺国からも支援はありますが、ほとんどが自国の利益を考えた「野心」ゆえの支援。旅行中よく言われたのが、「中国から天山山脈を越えて首都ビシュケクへ向かうボーン渓谷は、たった30kmなのにかつては21日もかけて越えた『悪魔の谷』と呼ばれていた。それが中国主導で現在バイパスができて、わずか1時間ほどで通過することができるようになった」。これだけ聞けば、ずいぶん中国にお世話になったね、と思うのですが、そこは中国。「ウイグル地区あたりからの物資(食べ物や物品)をビシュケクで売るため、大型トラックが走りやすくするため道路建設をした」ということでした。このしたたかさ、野心が現地の人にも見え見えなんですね。だから「道路はありがたいが…」と終始ネガティブな物言いでした。

ボーン渓谷のバイパスをばんばん走る中国からの大型トラック。漢字表記だからすぐわかる。

キルギスは現在、国の産業のひとつに観光業を掲げています。所々で「ホスピタリティ・キルギス」という看板や表示を見かけました。日本では「おもてなし」が同義語ですが、果たしてキルギスのホスピタリティと同レベルなのか少々疑問を感じました。なぜなら、現代の日本の場合は、残念ながら、少なからず「野心」「自身の利益ゆえ」が見え隠れするからです。
一見客を粗末に扱う、人種によって態度に差がある、無名の人に冷たく大企業・お金持ち・権威のある人にひれ伏す。
身に覚えありませんか?
この態度のどこが「おもてなし」の国なのか、以前から大きな疑問を感じていたのです。
(だから日本人が本来持っていた優しい心遣い「おもてなし」を再認識したくて「茶道セミナー」を実施しているのです)

キルギスに滞在中、無名な私に対して、不遜な態度をとったキルギス人は一人もいませんでした。
むしろ、みんな私が日本人だとわかると、にっこり笑顔で話しかけてくる。
こんな心地よい経験は初めてかもしれません!

【動画】遊牧民伝統の騎馬ゲームファイナル

【動画】騎馬ゲームで特等席に!

伝統の騎馬ゲームでは、グランドの後方で見えなくて困っていたが、私が日本人だとわかると「おい、前に行かせてやれ、日本人だぞ、日本人だぞ、お前、席をあけてやれ!」と次々声をかけて最前列に行かせてくれました!もうびっくりです!!警備の警察も目が合うとバチっとウインクしてきたり(^^;; 地べたに座ろうとしたら空のペットボトルを出して「これに座りなさい」とよこしてくれたり。

キルギス人は日本人が好きなんだなと実感。
相手が我々を好いてくれるから、我々もキルギス人が好きになり、そしてまたキルギスに行きたくなる。そしてキルギス人も、もっと日本語を勉強して我々と交流したくなる。
プラスのスパイラルです!
これぞまさにホスピタリティの真髄!!

ブラナの塔では地元の中学生が「日本人なの?名前はなんていうの?」その他まったく聞き取れなかったが、ロシア語でどんどん質問攻撃(^^;; 「一緒に写真撮って!」「撮って!」とみんなに取り囲まれました。

キルギス人と接していると、なにか遠い昔に置き忘れてきた心を思い出させてくれる、そんな温かな気持ちになりました。

「また行きたくなる国」と「一度行けば十分の国」がありますが、キルギスは間違いなく前者。
正直なところ、はじめはあまり関心を持っていなかったのに、この1週間で私の心境は180度変化。キルギス、何度も行きたくなりました!

現地手配はもうバッチリです!

皆さんもこの心温まる感動を、ぜひぜひ体験してみてくださいね!!

日本語バッチリの可愛い現地ガイドさんもお待ちしています(^^)/

 

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Telephone 03-6706-4700 (平日10時~18時)

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