Close

建築から「わびさび」


(back to Top page / ホームに戻る)

GW真っ只中、たいへんな人出でしたが、無事「アンコール・表参道コース」が終わりました。

前回の表参道は季節外れの台風に見舞われ、ずぶ濡れになりながらの苦行で、本当にトラウマになりそうでしたが、今回は日光がさんさんと降り注ぐ好天に恵まれました。本当に良かった(^^;;

さて、今回のスタート地点は、前回にはなかった「spiral(スパイラル)」から。

実はここ、担当の三村先生とのスタート地点でもあったのです(^^)

いつも話題豊富な三村先生

この建築ツアー企画を持ち掛け、打合せに指定された場所が「スパイラル」。
先生から「ビルも素敵だから、早く着いたら見学していて」と言われました。
しかし、当時、表参道をよく知らなかった私としては、「あ、そうですか」としか思っていなかった。とりあえず、言われたのでフラフラあてもなく「見学」してみました。たしかに1階から2階へのらせん状のスロープとか「お洒落だな」と思っていましたが、建築の知識がない私にとって、その程度。

ところが、今回のツアーで説明を聞き、なぜ先生がこのビルを指定したか、とてもよくわかりました!

前回(第4回)の「代官山コース」にご参加の方はわかると思いますが、このスパイラルを担当した建築家が、あの代官山「ヒルサイドテラス」の(そして三村先生が敬意を表している)槇文彦氏だったのです!

あ、なーるほど!
だから「スパイラル」だったのか!!

って、そんなこと、当時の私には想像もつきませんよ(^^;;

なぜ槇氏が、そしてヒルサイドテラスが素晴らしかったか。
それは、建物単独の主張ではなく、商業と居住、人の動線、街として必要な要素などをすべて考え抜いたうえでの街づくりが、長い年月をかけて行われてきて、今もなおその考え方が尊重され続けているからです。

詳しくは、「ブログ:代官山が素敵であり続ける理由」をご覧ください(^^)

同じ建築家が手がけた「スパイラル」もまた、動線・視点をかなり意識して作っていることがわかりました。

今回が5回目の建築ツアーですが、毎回出てくる重要なキーワード「街に開く」「街に閉じる」。

どうやら先生は建築が「街に開く」ことに、とても関心があるのだとわかってきました(^^)
開かれたスペースが、いかに人を誘い込むか、人の動きを流動的にするか、という観点では街づくりにとても重要なポイントだ、ということなのでしょうね!

それはよくわかります。

特に表参道や銀座など、高級ブランドが集中する地域では、クローズドな空間は敷居が高すぎて、とても庶民は足を踏み入れてはいけないと思ってしまいますから。
もちろん店側も、庶民レベルに来てもらっちゃ困るから、わざと入りにくいつくりにして、さらにドアマンまで置いて睨みをきかせている(^^;;

ルイ・ヴィトンのファサードはトランクを積み重ねたようなデザインでお洒落!
実は内装も素敵なのですが、用もないのに足を踏み入れるにはかなり勇気が必要(^^;;

表参道ヒルズもすごく素敵なビルなのに、入口が少なく開放感があまりなく、雨の日や、真夏の日差しを避けて通り抜けるのに便利ですが…

一方、開放的な空間を上手に生み出している建物の例として、

まあ、洋菓子とハイエンドなブランドショップを一緒にしちゃいけないんでしょうが、人の集まる場所にはチャンスが生まれ、子供の多い町は活気に溢れる、ということですかね…
それ以上は、あえて言葉にしないことにします(^^;;

そうそう、前回は展示品入れ替え中につき休業だった根津美術館も今回はやってました(笑)

やはり美しいですね(^^)
竹や木を使い、屋根も瓦を使ってみたりで、和風建築を抽象化した現代建築なのだそうです。

ここでまたポイント、「抽象化」。

先生によると、「抽象化」は日本文化の大きな特徴の1つなのでは、ということで、例えば根津美術館の通路を見てわかるように、光と影だけで和のイメージを上手に表現している。浮世絵や漫画なども、遠近法を使ったり、パーツを誇張してみたり、あるいは林の隙間に描きたいものを配置してみたり、2次元でありながら立体空間を上手に表現しているのです。…これは昨年末の北斎展の受け売り(^^;;

西洋文化は「どうだ」と言わんばかりの主張がはっきりしたものが多いが、日本は「曖昧」を好み、個人の見方によってどうとでも捉えることができる抽象的なものに落ち着きを感じる人が多い。つまり、日本的な美・日本の心=抽象的ともいえるのかも知れません。

ギリシャ建築のような柱を用いた威風堂々の入口、青山パラシオタワー。

ここで思い出したいのが「侘び寂び」。日本伝統文化の最高の美意識です。
そう、あの「茶道」で出てきた、「侘び寂び」です!

日本人は欧米人ほどは言葉を重視しない傾向があります。
それは、言葉で表現しにくいことを抽象的に表現してお互い心で通じ合うことができるからです。
もちろん、阿吽の呼吸で通じただろうと安心していたら、ぜんぜん通じていなくて、「言ってくれないとわからないだろ」と男女間の喧嘩のもとにもなりますけどね(^^;;
この「抽象的な表現」「阿吽の呼吸」に慣れていると、海外ではとんだしっぺ返しを食らうことが多発します。なので、私は海外へ出たら、急に心が鬼になって何でもハッキリ物申す。時々日本でもこれをやると、みんなから嫌われます(苦笑)

そういうわけで、日本精神の原点「侘び寂び」は、なんと建築物にも表れているのですね。
特に日本人建築家の作品をそういう目線で見ると、いろいろ気づきがあって面白いかも!

「侘び寂び」については、今後の「茶道セミナー」でもしっかり取り上げていきます!
夏に第2回開催予定、ご期待ください!!

茶道セミナー《おもてなしの心をお茶の世界から》

さて、話を建築に戻して。

今回も「レム・コールハース」が登場しました!
そうです、前回の表参道ブログでも触れた「お客さんあっての商売だ」の人です!!
近江商人みたいなこと言ってますが、彼はれっきとした「プリツカー賞」(建築界のノーベル賞)を受賞している、世界に名だたる建築家です。

これも「ブログ:代官山が素敵であり続ける理由」をご参照ください(^^)

レム・コールハースが代表を務めるOMAの作品。coach創設当時の棚をデザインした外壁、coachをリスペクトした表現として
右側GYREもレム・コールハース愛弟子のMVRDV作品。隣のディオールの白・ガラス・ドレープカーテン(イメージ)に対比して、重厚さを表現したあたりが上手い!

 

他にもたくさんの建築物を学びました。

説明はやっぱり実物を見ながらが良いですね(^^)

一斉に説明の先を見つめるご参加の皆さま(^^)

表参道、銀座、丸の内、代官山、上野をひとつのセットとして、今後もご要望に応じながらアンコールツアーを計画します。

次回は「銀座アンコール」、6月3日です。
20名様募集のところ、すでに12名様のお申込み済み。
ご興味のある方、お急ぎお申込みください!!

建築ツアーin TOKYO

ますます街歩きが楽しくなります(^^)

次回もこうご期待!!

 

旅行・セミナーのお申し込み・ご相談はこちらまで↓

Email info@i-travel-square.tokyo
Telephone 03-6706-4700 (平日10時~18時)

(back to Top page / ホームに戻る)