Close

秘境タナ・トラジャ紀行!


(back to Top page / ホームに戻る)

前回、インドネシア・バリ島へ行くと言ったきり音沙汰なくて、皆さまご心配されていたのではないでしょうか(笑)…それはないですね(^^;; バリ島の火山関連ニュースはすっかり聞かなくなり、もちろん噴火もなく、むしろ渡航中に出会ったフランス人から「そういえば、昨日日本で火山が噴火したというニュース見たわよ!」と告げられ、「え?ほんと??」とマヌケな反応をしていたほど暢気に過ごしておりました。おかげさまで(^^;;

今回の渡航目的は、バリ島ではなく、その先のスラウェシ島。

スラウェシ島はダイビングでそこそこ有名なようですが、我々の目的地は海ではなく山の方。

インドネシア最後の秘境と言われている(本当はパプアとかティモールなどの方が秘境っぽい気もしますが…)「タナ・トラジャ」!

今日はそのタナ・トラジャについてレポートしてみたいと思います(^^)

インドネシアは人口2億5000万人以上で、そのほとんど(87%)がイスラム教徒のため、世界最大のイスラム教の国とも言われています。イスラム教以外はキリスト教、仏教、ヒンドゥー教がポツポツ。日本人が大好きなバリ島はバリ・ヒンドゥーで有名なので(バリ島の90%ヒンドゥー教)が、てっきりヒンドゥー教の国だと思っていた方も多いかも。

スラウェシ島もほとんどがイスラム教の中で、このタナ・トラジャだけはキリスト教徒が85%を占めるという、驚異的なエリアなのです。なぜここだけキリスト教ばかりなのか、現地のガイドさんに教えてもらいました。「昔オランダ人が入植した時、島のほとんどがイスラム教でキリスト教の入る余地がなく、人々の多い海岸線からどんどん山へ入り未開だったタナ・トラジャに目をつけてキリスト教を布教した」そうです。そして現在は85%がキリスト教信者というのですから、布教活動は大成功だったわけですね!

そんなタナ・トラジャは、その独特な文化が着目され、近年多くの観光客が訪れるようになっています。特に多いのがヨーロッパ人。アジア人はまだほとんど見かけず、アメリカ人はゼロ(とガイドさんが言っていた)。ヨーロッパ人は文化や自然が大好きだから、さもありなんかな(^^)

では、そんなヨーロッパ人が大好きなタナ・トラジャには、いったい何があるのでしょう?

まず、有名なのが「トンコナン・ハウス」。舟形の屋根を持つ、独特の家です。

トンコナン・ハウス

その昔、タナ・トラジャの祖先が南の方から舟に乗ってやってきた、という迷信がもとになっているらしく、祖先は「北に神様がいるから」と南から北上してきたので、神様の方を向いて玄関が必ず北向きにあるそうです。

ケテ・ケスやパラワといったトンコナン・ハウスを観光用に公開している集落(実際に人は住んでおらず博物館となっている)もありますが、本当は町や村のあちこちで個人がトンコナン・ハウスを所有しており、過去の遺物ではなく現代も使用している家屋なのです。昔は本当にそこに人が住んでいたようですが、現在は穀物倉庫として利用されています。また、家族が亡くなった際に、葬式をあげるのに多額の費用が必要なため、お金が貯まるまでは亡くなった人の遺体をこの家に安置しているそうです。

このトンコナン・ハウスは、観光用に公開されているものは昔ながらの家屋なので、屋根は竹を上手に組んで作ってあるのですが、個人が所有する実用向けのトンコナン・ハウスの屋根はトタンであることが多いようです。そこは現代の技術なのでしょうか(^^;;

ここで葬式の話が出たので、トラジャの葬式儀礼に触れてみます。

注意!ここから先は気の弱い人は見ない方が良いかも…!

このトラジャの葬式儀礼も非常に伝統的儀式であって、実は観光のひとつに取り上げられていますが、なにぶん葬式なので、行って必ず見られるわけでもなく、運に任せるしかないのです。我々は幸運なことに(?)観光初日にこの儀式に遭遇できました。

葬式儀礼は亡くなった人の家族親族以外に、村の人、お偉いさん、観光客なども参加することができます。

この儀式が、これがまた、なんとも残酷で…!気の小さい人は絶対に直視できないようなグロテスクな儀式です(>o<)。まず、参列者全員に食事やお茶・お菓子がふるまわれ、なんとなく和やかなムードに包まれていました。するとガイドさんが「そろそろだよ」と首を横に切る手ぶりで教えてくれ、同時に参列者はぞろぞろとメイン家屋の前に集まり遠巻きに輪になって囲んで待つ。そこへさっきまでその辺で草を食べていた水牛が連れてこられ、生贄として殺されるのです。我々以外にヨーロッパ人もたくさん来ていましたが、恐怖と好奇心が入り混じった様子で多くの人が顔をしかめながらもカメラのシャッターを切っていました。私は怖くて前にいた大きな白人の陰からチラチラと見ていましたが、さすがに殺されるシーンは見るのを避け、次に見たときは既に水牛は地面に倒れて大量の血が流れていました。それがまた…同行のお客様は初め「そんな怖ろしいのは見られない」とおっしゃっていましたが、気づいたら輪の一番前にいて、惨殺シーンもしっかり見逃さず「喉を一発だったわよ」と解説までしてくださる(^^;; さらには倒れた水牛に近づき喉の切り口まで観察してきたというのだから、たいしたものです!やはりこれぐらい強くなければ、秘境には行けないのか!?(苦笑)

ここで生贄として殺される水牛ですが、一般的に水牛は農耕の手伝いをしてもらうために飼われているのが世界標準だと思うのですが、ここトラジャでは神様への生贄が目的なので、労働はさせずブロイラーのように丸々と太らせ、15年ほど飼育したうえで神様に差しだすそうです。またこの水牛を売る大きな市場が町にあり、高いものだと300万円近くもするとか。伝統とは言え、なんだか考えさせられることが多いですね…

水牛市場、散髪もしてあげる!

実は我々の幸運(?)はこれだけではありませんでした。

ガイドブックにも出ていない「家屋の新築祝い」儀式まで見ることができたのです!

観光初日にガイドさんが「今日は最初に新築祝いに行きます」とおっしゃる。事前情報がなくて好奇心で「ぜひ!」とお願いしてたどり着いたのが、本当に細い細い山道の先。しかし多くの村民が続々集まってくる。太鼓の音も聞こえ何やら楽しそう。とその時、ふと足元を見ると血の跡があちこちに!ギャー!!そして周囲をよく見てみるとあちこちに豚が転がっている…もちろん絶命状態で。ひえー!!!さらにまた、あちこちで豚の解体作業…村人たちは楽しそうに笑顔で豚をバラバラに切り分けているのでした…(–;;

なんとまあ、新築祝いも葬式も、とにかく生贄を神様に捧げなければ始まらないようです。

私はベジタリアンではありませんが、さすがにこの2つの儀式を見た後は、食欲減退でした(–;;

同行のお客様は夜に怖ろしい夢を見たと言ってました。

我々平和ボケの世界で生きている者たちにとって、それぐらいにインパクトが強烈な体験だったのです。

儀式後の食事、トラジャ料理。中央の黒い牛肉は生贄の水牛?竹筒に詰める様子は新築儀式で見たがあれか?

これらの儀式はこの地域の伝統ではあるものの、どこかの先進国の動物愛護団体が(日本の伝統であった捕鯨を非難してついにやめさせてしまったように)余計な口出しをして、そのうちトラジャから儀式が消滅してしまうかも知れません。かなりグロテスクですが、見ておきたい人は、そうなる前に一日も早くトラジャを訪れることをお薦めします。

グロテスクなばかりだと宣伝になっているのか疑問なので、もう少し素敵なものも紹介しておきましょう!

トンコナン・ハウス以外で常に見学できるのが、洞窟墳墓や岩壁墓、葬祭広場の石柱…

なんだ、やっぱり死者関係か…

ただ、あの強烈な儀式を見た後なので、お墓やガイコツや死者人形タウタウごときにもはや衝撃は受けません(^^;; 人間、いろいろ体験すると強くなります!(笑)

これらについてはガイドブック(某・地球の歩き方)にも説明が載っているので、文章が長くなるからここでは簡単に済ませます。

いちおう食べ物も紹介しておきましょう(^^;;

そう、トラジャはあのトラジャ・コーヒーの産地なのです。ただ、キーコーヒーがプランテーションで栽培していますが、美味しいコーヒーはすべて輸出されてしまうので、町で売っているコーヒーはたいして美味しくないらしく、ガイドさんもぜんぜん薦めてきませんでした(^^;;

最後の最後に、強烈なものばかりを見て高ぶってしまった精神を落ち着かせるために、美しい棚田の風景を見て終わりにしましょう!

インドネシアでは稲作が盛んで、だいたい二毛作か三毛作。山間の村タナ・トラジャでは町の中心ランテパオから少し山に入ると、こういった段々畑が広がります。我々日本人には田んぼは珍しくもない光景ですが、ヨーロッパ人にはツボなようで、田んぼを見ると熱心に写真を撮っていました。有名な(誰に?笑)展望スポットもありますが、ガイドさんはわざわざ細すぎる山道に入って秘密のスポットを紹介してくれました。岩壁墓もガイドブックに載っていないスポットで、ほとんどのガイドが知らないか面倒くさがって行かない場所だとのことでした。また、新築祝いの儀式もかなりローカル情報だったらしく、外国人は我々二人だけでした。本当に貴重な体験だったと思います。

今回我々を案内してくれたガイドさんは、かなりベテランさんで、道は知り尽くしていて、情報網も相当なものだったようです。また、英語ガイドだと聞いていましたが、日本語がまあまあできる方で、さらにポイントアップです。時にハズレなガイドにあたることもありますが、このようなスーパーガイドに案内をしていただけて、我々は本当に幸運そのものでした。

スーパーガイド!

いかがでしたか?秘境の香りプンプンしましたか?(笑)

スーパーガイドさんとはバッチリ連絡先も交換してきましたので、皆さんが行くときにご指名OKです!

次にトラジャを訪れるのはあなたですね!(^^)

ぜひ当社にお任せください!!

 

旅行のお申し込み・ご相談はこちらまで↓

Email info@i-travel-square.tokyo
Telephone 03-6706-4700 (平日10時~18時)

(back to Top page / ホームに戻る)