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近代建築・丸の内&日比谷レポート!!


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こんにちは!2月もまもなく終わりそうです。暖かくなったり寒さが戻ったり。まさに三寒四温です。

先日は第3回建築ツアー・丸の内&日比谷コースでした。

18日(日)は風が冷たく寒さがありましたが良く晴れたお天気、そして20日(火)は当初は雪まじりの予報が皆さまの願い(執念)が天に届き見事に暖かな快晴で、とても良い建築めぐりができました!

今回のコースは丸の内から日比谷にかけて。前回までの表参道・銀座コースでは、主にバブル期以降の現代建築を見学してきましたが、この丸の内界隈は東京駅をはじめとし、明治から昭和初期のいにしえの香りが残る名作建築の宝庫。これまでとは一風かわった目線で見学をしてみました。

東京の玄関口、東京駅は現在3代目
東京駅のシンボル丸ビルと新丸ビル。良くも悪くも丸の内を語るには欠かせない存在の三菱。そしてその奥にある茶色の建物(東京海上ビル)は建設当時は高さでひと悶着あったが、今やどのビルよりも低くなってしまった。
知らないうちに立っていた井上勝像は東京の玄関口を見つめる

今回のポイントもいろいろありましたが、私の中で印象深かったのは「再開発と保存」「ギリシャ建築様式」でした。

建築様式については、素人でも旅行先でいろいろ耳にします。ゴシック、バロック、アールヌーボー、ロマネスク、ルネサンス、イオニア、コリント…。数え出したらきりがない。そして、どれがどれだか素人にはさっぱりわからない(^^;; 特にヨーロッパの教会ではいつも「???」と思いながらわかった振りをして見学していた私です。→教会については「教会と音楽セミナー」で別途解説。

今回の見学でも、様々な建築様式が登場しました。そういえば、前回までの表参道・銀座は現代建築なので、こういった建築様式は出てこなかったのか、あまり着目していませんでしたね。いま思い出しました(^^;;

知ってました?丸の内界隈には、ギリシャ建築の代表的な様式3種類を見ることができるのです!!(自慢、受け売り。笑)

講義によると、ギリシャ建築様式は①ドーリア式(BC7世紀頃)、②イオニア式(BC6世紀頃)、③コリント式(BC5世紀頃)の3種類だそうです。そして、ドーリア式の典型例がパルテノン神殿で柱がシンプルなのが特徴、イオニア式は羊の耳のような飾りがついている、コリント式はアカンサスという(仏教でいえば「蓮」のようなモチーフ)植物がついているのが特徴だそうです。そうか、ぜんぜん知らなかった!!

シンプルなドーリア式列柱の日本工業倶楽部会館

どうせ、なんて言ってしまえば身も蓋もありませんが、我々素人はそれ以上の細かなことは知る必要がなく、一目でわかる特徴さえわかれば、それだけで大喜びなわけです。先生はその辺りの事情をよく把握していらっしゃる点が実に素晴らしい!だから毎回大人気なのですね(^^)。

他にも初めて聞いた様式もありました。例えば「ゼセッション様式」。資料を見た時「セッション」の間違え?誤植?と素人(私)は思ってしまったわけですが、違いました(苦笑)。直線と曲線の組合せが美しい建築様式で「ウィーン分離派」と呼ばれ、伝統にとらわれない芸術表現で絵画では「クリムト」が代表選手だそうです。これに相対するのがパリを起点とした「アールヌーボー」だとか。そうなのか…。もうこの時点で、かなりの物知り博士になった気分です(^^;;

他にもたくさんの様式が出てきました。すべては書ききれないので、気になる方はぜひアンコールツアーの際にご参加くださいね!!

次に「再開発と保存」について。特に「保存」ですね!

現在、東京駅丸の内南口の前に建つ「Kitte」。このファサードが実は重要ポイント。当時の(故)鳩山総務大臣が「重要文化財をぶっ壊すなんて、天然記念物のトキを焼き鳥にして食ってしまうようなものだ!」と大反対した鶴の一声(?)のおかげで、現在も当時の面影を偲ぶことができる、素敵な建物として残されているのです。そんなエピソードがあったなんて、知らなかった!こういうエピソードは参加の皆さまが大いに期待しているところ。ここでは書けないオフレコ話も多々あり、毎回爆笑の渦です(^^;;

焼き鳥を免れたKitteのファサード

丸の内界隈は、明治から戦後にかけて、多くの近代的な建築物が次々と建てられました。そのほとんどが再開発によって建て替えられているのですが、明治生命館(重要文化財)のように全面保存をしているもの、完全に壊されて姿かたちがなくなってしまったもの、一部だけ残すもののお世辞にも上手な保存とは言えないものもある中で、「これはなかなかセンスが良い保存方法だ」というものがありました。

その例が「DNタワー21」。同一街区にあった第一生命館と農林中金ビルを解体しファサードを継ぎはぎして再構築し一体化させた建築物に生まれ変わりました。他にもファサードを残した保存建築はあったのですが、この建築(DNタワー)はとても気の利いた方法だと思いました。

DNタワー前でファサード再構築を図説

それにしても、重要文化財級の建物を壊して跡形もなくしてしまうのは実にもったいないですね。商業利益重視、利益至上主義というのは、なんとも味気なく感じてしまいます。ヨーロッパではこうした古来からの重要な建築物を保存し続ける風潮は非常に強い。逆に新興のアジアでは「邪魔だから」「利益を生まないから」とぶち壊して最新式の派手な高層ビルに建て替えることが多い。これは何を言わんとするか。私は「古いものの価値を認めつつ、現代の基準や生活スタイルに合わせて変化させていく」というスタイルが好きです。温故知新とはそういうことではないかと思います。

ところで今さらですが、近代建築と現代建築の違いってわかりますか?

調べてみても英語ではどちらも「Modern Architecture」と出てくるので、外国人はいったいどう区別しているのか?と不思議に思っていました。それについても建築業界では建物の特徴などからちゃんと区別しているようです。(紙面の都合上、笑)その解説は実際のツアーでのお楽しみに(^^)!

他にも、書きつくせないほどの多くのお話を教えてくださいました。それはやはり実際の建物を見ながら、どこに工夫があるのか、どこが建築的に優れているのかなど、皆さんの目で体験していただくのが一番です(^^)。

先生の丹念な解説のおかげで、回を重ねるごとに、我々素人参加者はすっかり賢くなり、ついでに耳年増にもなり(笑)、いつでもお友達に自慢できるレベルになってきました!

ぜひ次回は皆さんもご参加くださいね!

いつも真剣に聞いてくださる参加者の皆さまとその期待にこたえてくださる三村先生

次回は代官山・渋谷コース。

こちらのポイントは「街のでき方・つくり方」。ともにファッショナブルで最先端の情報発信の街でありながら、まったく異なる様相をみせてくれる代官山と渋谷。いつものように建築物を見学しながら、どのように街ができてきたのか「都市計画」まで踏み込んで解説をしてくださる予定です。

だんだんプロっぽくなってきましたね!

ぜひ次回もお楽しみに!!

お申込みはこちらから↓

http://i-travel-square.tokyo/travel/japan/tokyo/building/archtour/

 

また嬉しいことに、各コースのアンコールリクエストをたくさん頂戴しております。

人数が集まれば、個別で建築ツアーの対応もいたします!

  • 各回 15名様まで(それ以上の人数の場合、質が落ちるので2回に分けることをお勧めします)
  • 代金 1グループ¥60,000円(消費税込)
  • 代金に含まれるもの 講師代、配布資料、手配代金
  • コース 現時点では、表参道、銀座、丸の内&日比谷、代官山&渋谷
  • 座学の場合は別途ご相談たまわります

真夏は暑すぎて歩き回るのには適しておりません。6月前半までが限界。平日なら比較的アレンジしやすいですが、土日は早めにお知らせいただき、先生と相談になります。今ならゴールデンウィークであれば、比較的アレンジしやすいかも。行楽地はどこに行っても高くて混んでいるゴールデンウィーク。逆に丸の内&日比谷あたりはオフィスが多いので、連休中は静かで見学しやすいかもしれませんね(^^)

ご希望ありましたら、ぜひご連絡ください!!

今週末は「教会と音楽セミナー第1回」です。またこちらもレポートしますね。

乞うご期待!!

旅行・セミナーのお申し込み・ご相談はこちらまで↓

Email info@i-travel-square.tokyo
Telephone 03-6706-4700 (平日10時~18時)

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