前回の喜界島に引き続き、今度は加計呂麻島です。
加計呂麻(かけろま)島は奄美大島の南端にある東西に長細い島です。
名前の面白さに魅かれて、離島好きとしては、どうしても行かなければいけない気持ちになりました。
加計呂麻島へはカーフェリーが往来しているので、レンタカーの持ち込みができます。フェリー到着にあわせて島内バスも出ています。バスは島に住む集落の人々の生命線として重要な役割を担っており、人だけでなく港に届いた新聞や荷物も一緒に運びます。そのルートは島の裏側の限界集落まで及んでいます。島内の道は、特に山の中に入ると初心者には少々キツイ道が続くので、ムリに運転せずにバスを利用してのんびり島内を廻るのもいいですね。バスの終点では、次の時間待ちをしていた運転手さんが島のことをいろいろ教えてくれました。
まず、いきなり山道へ入って滝を見に行きました。滝は道沿いにあるのでそれほど気構えなくても良いのですが、周辺は明らかに亜熱帯植物の宝庫。本州ではなかなかお目にかかれないシダ類やサネン花にも出会えます。
そして、限界集落をぬけて、島の西端にある「実久」地区へ行きました。
ここは夏のシーズンには、「実久ブルー」を誇るこの世のものとは思えないほど美しいビーチで海水浴を楽しむ人々が訪れます。しかし、梅雨時のビーチはやっぱりグレーでしたね(苦笑)。集落には石垣があり、そこにピンクのリボンを巻いた棒が立て掛けてあります。バス運転手さんによると、これはハブ退治用。美しい島でも当たり前にハブは生息しているので常に用心しなければいけません。そして、集落で見かけた注意書き。「先人から受け継いできた自然を守る」。そうですね、心無い観光客が増えて島の秩序を乱すようなことがあってはいけません。離島に行くときは、自分も離島の人間のつもりで行く心意気が大切です。そんな自然を愛する人々を美しい花々が見守ってくれています。
今度は島を横断し、フェリー港とは反対側の海岸沿いへ出て行きます。
そこにある「西田精糖工場」に、ランチやお茶ができるカフェがあると聞いて伺いました。精糖工場は、残念ながら5月で今年の製造が終わっていたため製造工程の見学はできませんでしたが、代わりにきび酢発酵施設の内部を見せてくださいました。施設内の壁に付着する黒いススのようなものは、加計呂麻の空気中に浮遊する酵母菌や酢酸菌で、もう何十年も昔から年季の入っている証拠です。この菌によって自然発酵させた「きび酢」が加計呂麻の特産品でもあるのです。
精糖工場の向かいにあるのが目的のカフェ。なんだかオシャレな予感!
ランチもやってますが、私たちはカフェタイムを楽しませていただきました。お店の中では手造り純黒糖をはじめ、きび酢、黒糖加工品(黒糖ピーナッツや黒糖そらまめ等)、サンゴ塩などの加計呂麻島の特産品が置いてあります。お土産にどれにしようか、ぜんぶ買ってしまおうか、迷ってしまいますね!「ちょうど作ったばかり」という手造りの黒糖ピーナッツは絶品でした!!
それだけではありません。お店の中がなんとオシャレなこと!
すべてカフェの奥さんの手造り。周辺の山や海から拾ってきた自然素材を工夫して、お店に素敵な彩を添えています。そしてカフェの目の前はもう海。砂浜。夏には多くの海水浴客で賑わうそうです。「良い季節にもまた来てくださいね」と優しく私たちを見送ってくださいました。近くに民宿もあるようなので、次回は泊まりでいってみたいです!
お店は不定休なので、訪問する場合は事前に連絡して行くことをお勧めします。
西田精糖工場 電話 0997-76-0177 または
ギャラリーかどぐち(カフェ) 携帯 080-8582-3678
美味しいコーヒー&黒糖と一緒に優しい奥さんが待ってますよ!
他にも見どころはたくさんありますが、そのうちのひとつ、映画「男はつらいよ」の撮影があった諸鈍のデイゴ並木も有名です。そこから見える海は、少し太陽が覗いたせいか、グレーからエメラルドに変化していました。
もうひとつ紹介しておきます。安脚場(あんきゃば)戦跡公園。
ここは島の東端の岬のてっぺんにあり、太平洋戦争当時に軍事施設が置かれていました。そのときの弾薬庫や防備衛所、砲台跡などが残されており、広い公園となっています。でも、雨の日に行く場合は少々注意を。行くまでの道が険しく、途中落石や倒木の危険もなきにしもあらずなので、天気が悪いときはムリせず次の機会を待ってくださいね。
奄美大島だけでももちろん素晴らしい自然美はたくさんありますが、もう一歩足を伸ばして、この原風景がそのまま残る加計呂麻島をぜひ堪能してみましょう!
加計呂麻島・奄美の旅、お申し込み・ご相談はこちらまで↓
info@i-travel-square.tokyo | |
Telephone | 03-6706-4700 (平日10時~18時) |