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足も大忙しのパイプオルガン!


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7月7日、七夕の朝は「教会と音楽セミナー」北ドイツコースでした♪

町全体が美しい世界遺産のリューベック、ハンザ同盟で栄華を誇ったハンブルク、そして冷戦終結の地ベルリンがテーマ。

美しいリューベック
街が川で囲まれているため、城壁をつくる必要がなかった!「へぇー!!!」

担当の渡邊先生が大好きな地域とあって、熱の入りようが違った!(^^;;

そして時間がぜんぜん足りなかった…(苦笑)

セミナー前は、予告通り、前回チェコ情報をもとに仕入れてきた「モラヴィアワイン」で、皆さま良い気分(*^^*)

講義の内容は、まず一押しのリューベックを念入りに。
宗教改革とルター派の説明。
美しい教会の数々。
パイプオルガンの説明。
その後は時間がなくなったので、駆け足でハンブルクとベルリンを…
これは、いつかまた「ベルリン特集」をしなければいけないと痛感してます(^^;;

いつも素敵可愛い渡邊先生。今回は冒頭でチェンバロ生演奏♪

【動画】チェンバロ生演奏♪

ドイツのバロック音楽家たち♪

セミナー後にご提出いただいたアンケートを読むと、
「宗教改革について知らないことが多かったのでとても参考になった」
というご意見が多かった。

そうでしょう~!
思った通り(^^)
私の読みはあたっていた!!

かく言う私も、中学校の歴史で「ルター、カルバン、宗教改革」と習いましたが、それがいったい何者なのか、まったく知らぬ存ぜぬのまま大人になり、人生の大半が過ぎ去ってしまいました(-_-)

だいたい、宗教で革命って…(革命じゃなくて、改革!w)
産業革命や技術革命ならわかるが、宗教がこれまでの認識とはガラリと変わってしまう、「目から鱗」ということですよね?(だから「改革」だって!ww)
もともとキリスト教徒じゃないので、カトリックだ、プロテスタントだと言われてもピンとこないし、さらには、ユダヤ教や東方正教との違いも定かではない。
だから、これまでの人生、旅行先で教会を見学してもダラダラ教会内を歩いて「ふーん」と思ったり、「ステンドグラスが綺麗~」とガイドブックの受け売りで感動してみたり、そしてとりあえずは証拠写真だけ適当に撮影して、「はい終了」でした、恥ずかしながら…。

でも、おかげ様で、このセミナーを始めてから、私の教会雑学は急速に増加中!
もはや、昔の私ではない。教会内での目の付け所が違う!(笑)

脱線から戻り、その宗教改革ですが…

昔は識字率が低く、聖書はラテン語で書かれていたので、それを読める人は聖職者と富裕層ぐらいしかいなくて、一般庶民は神父さんの説教を聞いて聖書の中身を理解するぐらいしか手段がなかった。それを聖書をドイツ語に翻訳して、庶民でも読めるように変革していったのがルターだったわけですね!
極端なことを言えば、聖書が読めれば、神父さんは必要ない。
なぜなら、それまでの神父さんのいちばんの役割は、聖書の伝道者みたいなものだったから。
ルターは教会のヒエラルキー(体制)を批判し、免罪符を批判して、いよいよ新たにプロテスタントを確立していったのでした。

北ドイツでルター派が拡大した理由のひとつが「ハンザ都市」。貿易で街が潤っていたので、カトリックを脱退しても(カトリック教会からの給料がなくても)、別の手段(教会税の徴収)でやり繰りができたらしい。

今回の講義では免罪符についてあまり触れませんでしたが、たしか免罪符って「罪を犯してもお金を払えば罰を免除します」ってやつでしたよね。つまり、貧しくて信心深い庶民につけこんで、 立派な聖堂を建てるために免罪符で資金集めをした。(「この壺を買えば病気が治る、家庭内の厄難がなくなる」といったのと似ている)…そんなのおかしいだろー!というのが免罪符批判だったはずです。(この一般庶民の財布につけこむやり方は現代でも日本を含むどの国でもある話ですが…)
ルターは金持ち聖職者を増やすカトリックに敢然と立ち向かったわけですね!
現代語に訳すと、「行政の腐敗にメスを入れた」ということです。
知らなかった、そんな立派な人だったとは!!
急に好きになりました(^^;;

そういうわけで、北ドイツはルターが大活躍してプロテスタントの牙城となった地域なのだそうです!勢力分布図を見せていただきましたが、一般的にヨーロッパ内では北部にプロテスタントが多く、南部にカトリックが多いようです。
しかし、チェコだけはカトリックに圧勝のようですが、これは前回チェコセミナーで教えていただいたとおり、三十年戦争でプロテスタント勢力が負けた後に「カトリックに改宗するか、チェコから出て行くか、二つに一つの選択」だったため、国内からプロテスタントが消えてしまったのですね。
なるほど、話がちゃんとつながった!!

左は宗教改革直後、右は三十年戦争後。黄色がカトリック、青紫がプロテスタント(ルター派とカルヴァン派)。中央から上(北部)は青紫が多いのに、チェコだけ黄色い。(出典:カラー世界史百科増補版 平凡社 1985年)

ちなみにルターって宗教改革の立役者、堅物だと思っていたが、どうやら音楽にも素養があったらしいです。あの顔で…顔は関係ないか(^^;;

アイゼナハにて。右がバッハ、左がルター!

そして、聖書のドイツ語翻訳だけでなく、賛美歌も作曲していた。
その曲が「一度聴けば覚えられそうな、誰でも歌える曲」だったらしい。
そうやって聖書の教えを庶民が身近に感じることができるように、どんどん工夫していったのですね。

ブクステフーデのコラール(賛美歌)。親しみやすく覚えやすい。

素晴らしい人でした。
昨年5月にルターゆかりの「アイゼナハ」を訪問しましたが、バッハに気を取られて、ルター生誕500周年とかって掲げられていたのを軽くスルーしてしまった私。
もし今回の講義内容を昨年知っていたら…と毎回の後悔です。

せっかくベストなタイミングで来たのに、軽くスルーしてしまったルター祭…

後悔先に立たず。

皆さまはお気をつけ遊ばせ(^^;;

そして、今回の2大テーマのもう一つが「パイプオルガン」!

写真だけでなく、先生直筆の図説により、その知られざる構造が明らかに!!

先生手書きによる図説が可愛い(^^)

教会のパイプオルガンは、だいたい後ろの高い位置にあるので、庶民は下から見上げるだけで、その構造がどうなっているのか確認することはできません。「パイプが何千本」「鍵盤が何段」と言われても、その姿を目にするチャンスは、よほどコネがない限り、不可能なわけですね。
「いったいどこで弾いているのかしら?」
「どこにそんな何千本ものパイプがあるのかしら?」
と、いつも素朴に疑問を抱いておりました。

何千本ものパイプは背後にあって前からは見えない。長いパイプは低音、短いパイプは高音。パイプの数は権力・権威の象徴でもあったらしい…

そして、今回初めて知ったのですが、パイプオルガンって、手で弾く鍵盤だけでなく、足用の鍵盤もあるのだそうです!しかも、曲が5声とかになると、足だけで2声を奏でることもある。現代ではつま先と踵を使って、ヒール&トゥ、まるでF1レーサーのような足さばきなんですって!さらにバロック時代はつま先しか使わなかったので、タップダンサーもビックリ!の神がかり的なスピードで足が動いていたはずです。

この楽譜は手鍵盤が上2段(右手、左手)、足鍵盤が下1段。足も2声になっていて忙しい。よほど器用な方じゃないと…(^^;;

あんなに荘厳で美しい音色のオルガン音楽、まさか裏方でこんなに激しく動き回っているとは、誰も想像できないですよね(^^;; まるで優雅に泳ぐ白鳥が水面下で必死に足で漕いでいる様子を思い浮かべてしまう(苦笑)

いやー、これを知っただけでも、今回は大きな収穫でした(^^;;
オルガン奏者、実はシューマッハ並み…(^^;;

ふだんは見ることができない、パイプオルガン演奏の様子。これは4段鍵盤。周囲に音色などを変えるボタンがたくさんあり、意外と現代的だった!(まるでシンセサイザー)

こんな濃厚な話を聞いていたら、2時間なんてあっという間に過ぎてしまい、冒頭の通り、ベルリンとハンブルクは駆け足・早口で終わってしまいました。反省(-_-)…

あっという間の2時間。今回も皆さま真剣に聴講。ワインで酔っているヒマもありませんでした(^^;;

次回は「キプロス」の予定ですが、もしかすると今回説明不足のベルリン編を特別に設けるかも。

また、来年6月ごろに、渡邊先生リクエストの「ドイツ・バロック旅行」を企画中です!!

今回、時間切れで紹介が漏れてしまった「リューベック・ワイン」は先生からこっそり情報をいただいたので、10月に現地で仕入れて、次のセミナーでまた皆さまにおすそ分けいたします!
ぜひお楽しみに(^▽^)/♡

次の「教会と音楽セミナー」日程がまだ決まっていません。
メルマガ、Facebookなどで随時ご案内いたしますので、お見逃しなく!

【教会と音楽セミナー】ページはこちら↓
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バロックの巨匠、バッハ直筆の楽譜(複製)

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