お盆が過ぎると、あんなに暑かった毎日が、急に涼しく感じる時間が長くなってきました。
不思議なものですね、暦(こよみ)とは実に上手にできているものです(^^)
前回は灼熱の中、会場までの道のりが溶けそうなほど苦痛でしたが、今回はまずまずの心地よいセミナー日和。
会場の法真寺さんには、実は永代供養があることを前回発見しまして、少し早めに訪問し、つい個人的にいろいろ質問させていただいておりました(^^;;
その永代供養の説明が終わり、さあ、セミナー準備に取り掛かろう!と顔をあげた瞬間、目に飛び込んできたのが…!
「あ、和泉元彌さんだ!!」
なんとなんと、前回のお姉様(史上初女性狂言師・和泉淳子さん)に続き、今回は和泉流宗家の和泉元彌さんが応援に駆けつけてくださった!!
もう大変です。ご参加のご婦人たちは、気になって気になってしょうがない(^^;;
「ああ、そんなことなら、ちゃんとお化粧してくればよかった…」
「もっとまともな服を着てくればよかった…」
そう思ったのは私だけではありませぬ、きっと(笑)
とりあえず、「写真でも撮らせていただかないと、皆さまの気持ちが落ち着かないだろう」ということで、フアンサービスとしてセミナー冒頭は藤九郎先生&元彌さんと一緒に各々撮影会から。
まさかのサプライズに、皆さま興奮状態!
きっと今頃、SNSなどで「いいでしょう~ふふふ♡」と写真を自慢されていることと存じます。
当社のセミナーに参加されると、思わぬところで嬉しいサプライズが発生します(^^)v
さて、撮影会も終わり、気持ちも収まったようなので、第2回セミナー開始!
まずはじめに、宗家・和泉元彌さんからのご挨拶。
とても素晴らしいお話をしてくださったのに、舞い上がっていた私は、素敵なお姿にボーっと見惚れてしまい、ほとんどお話を覚えておりません。
スタッフ失格です、反省(-_-)
男性が、美人営業マンが来ると、つい契約にハンコを押してしまう心理、わかります…(笑)
(確か、お子さんたちがしっかりと芸を学んでいらっしゃる、というお話をされていたのは記憶の片隅に残っている…。伝統芸能を継承する家系は、小さな頃からお稽古に励み、本当に大変だし立派だなと思います!)
そして元彌さんのご挨拶が終わると、いよいよ我らが藤九郎先生による「狂言鑑賞ポイント」の講義です!!
今回の内容は、ざっくりと、
- 能楽堂と能舞台について
- 舞台のつくりと座席構成
- 上演(演技)の特徴
- お稽古体験
- 次回舞台の鑑賞ポイント
能や狂言は「能楽堂」という専門の劇場で公演されますが、それ以外でも公演ができる「能舞台」が全国にたくさんあるそうです。これは、もともと能や狂言が「神事」であったことから(前回のおさらい)、神社などにも「能舞台」がたくさん存在するのですね。
そして、全国でも際立って能舞台が多いのが新潟県、特に佐渡なんですって!
これは、能楽師で有名な世阿弥が、後年に佐渡へ流されてしまったことにも起因するようです。
そうか、当時本人としては真に不本意であったでしょうが、そのおかげで佐渡という離れ小島に立派な伝統芸能が伝承されるというまさかのサプライズが起こったわけですね。
また、狂言は現在「和泉流」「大蔵流」の2流儀だけですが、かつては「鷺流」というのもありました。それが大正時代に宗家廃絶によって衰退し、狂言界から姿を消したのですが、どうやら佐渡で静かに伝承され続けているようです。(他にも山口県と佐賀県)
鷺流は現在、新潟県の無形文化財に指定されています。そして、この佐渡における伝承活動が活発らしく、地元中学校の総合教育でも鷺流が採用されたり、多くの学生が体験学習をしているとか。
藤九郎先生が「島だからこそ残っている」とおっしゃったのが印象的でした。
なぜなら、つい先日訪問したエストニアの「キフヌ島」も同様に、「島だから伝統の生活スタイルが残っている」ということで世界遺産になっているのですから。
よくよく考えると、日本でも世界でも、島には固有の動植物が生息したり、独特の生活スタイルを行っていたり、古来からの文化がそのまま引き継がれていたり、確かに「本土(メインランド)」とは異なる空気を感じやすい。
場合によっては「閉鎖的」とネガティブなこともありますが、半面、そこは伝統の宝庫でもあるのですね。誰からも邪魔されなかったからこそ自然体のままで残っている。
だから人々は島に魅力を感じて訪れようとするのか…
納得です。
私も島が好き。なぜかわからないが好きだった。
でも自問自答して、いま、その答えが分かりました!
そして、来年は「キプロス」も行きますよ!
ここもヴィーナス誕生の島、はるか古代からのロマンあふれる島なのです!!
ボッティチェリのあの有名な絵の舞台が、その「キプロス」なのです。
それに先立ち「教会と音楽セミナー」では「キプロス」の講義も行います。
2019年3月30日…ずいぶん先ですけど(^^;;
皆さま、こちらもお楽しみに!!
脱線しました。軌道修正。
2つ目のポイント、舞台のつくりと座席について。
能や狂言の舞台は、他の演劇の舞台と異なり、正面と横から演者の姿を見ることができます。
かつて神事として演じられていた頃は、それこそ神様の依り代である松の木に向かって舞っていたので、四方向から見て美しく見える衣装や動作(すり足、構え…)となっているそうです。だから誤魔化しがきかないのですね。常にあらゆる方向から見られている。そんな緊張感があるからこそ、能や狂言の世界は美しく、世界中の人々を魅了しているのですね。
そんな狂言、残念ながらまだまだ日本の中でも一般にあまり浸透していません。
当社のセミナーもご参加者の半数が狂言鑑賞未経験者。
だからこそ、こういう講義は必要なんですよね。
「鑑賞ポイントを知るため」という受け手側の需要だけでなく、「狂言を知ってもらうため」という発信側の要望も叶えるためのセミナーなのです!
先生もおっしゃっていました。
はじめは分からない言葉がでてきたり、発声の抑揚によって聞き取れないこともあるが、会話の流れと顔の表情・動作によって何となくストーリーが見えてくる。「知らなくても楽しめる」という心構えが初めて狂言を観るスタート地点だと、気楽にかまえるのが良さそうです。
さらに、想像力を働かせながら観ていると、回を重ねるごとに「気づき」が増えてくる。
前回は言葉を追いかけるのに必死で見逃していた動作や表情が、2回目、3回目では「あら、こんな動きをしていたのか」「この表情はああいう心理を表しているのかも」などといろいろ気が付くはずです。
だから、親しみをもって、何度も舞台に足を運ぶのが良いのですね。
そして、そこから得られるものは、陳腐な享楽ではなく、古来から脈々と続く日本の伝統であり、不変の人間ドラマなのですから!
実は今週訪問予定の地方の博物館の方がおっしゃっていました。
「過去を無視して未来を語ることはできない。過去に歩んできた事実は私たちのアイデンティティの基礎となっている」と。
いいこと言うなー!
そうなんですよね、なぜ日本の伝統文化や伝統芸能を学ぼうとするか。
なぜならそこには私たち日本人のアイデンティティが凝縮しているからなのです。
アイデンティティ…要するに「自分」。
「自分は何者であるか」の追求の糸口が、茶道や狂言などから見えてくるはずです。
(言いたくないが)、陳腐な言い方をすれば「自分探し」の答えが見つかるかも…!
ぜひ皆さんも「高尚すぎる」なんて毛嫌いせずに、気を楽にして新しい世界に飛び込んでみてください!
次回・セミナー最終回は狂言舞台鑑賞です。
9月2日(日)14時~16時
お席は若干まだ空きがあります。
この機会に皆さまもぜひ!!
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