イタリア旅行記と音楽セミナーレポートの順序が逆になってしまいました…
なにしろイタリアでは(も)、いろいろ発生しましたから、まとめるのが難儀で…(^^;;
「そういえば、10月はドイツに行ってたよね、その旅行記は?」とご指摘されるかも。
そうです、行ってました。そしてブログ書いてません(^^;;
というのも…
じゃじゃーん!
「ヨーロッパ鉄道旅行2019-2020」(イカロス出版さん)で、私の旅行記を取り上げてくださったのです。しかも8ページも!!
すごーい!!(笑)
こちらに記事をアップするので、ブログは割愛しました。
11月28日に発売されたばかりです。
ぜひ皆さまも、私のドイツ・デンマーク視察がどんな様子だったか、本を読んでみてください(^^)
まあ、かなり笑える珍道中であったことは間違いない?
ネット販売サイトはこちら(イカロス出版さんサイト)
※アマゾンや書店でも販売しています!!
さて、今回のイタリア旅行はお客様と一緒でした!
王道のローマ、ミラノは単なる発着地点でホテルに泊まっただけ。
フィレンツェ、ベネチアなど有名観光地には目もくれず…
ではどこへ行ったのでしょう?
答え:ボローニャ、ラヴェンナ、サンマリノ、リミニ、アッシジ、モンテファルコ、ベヴァーニャ!
ボローニャとサンマリノとアッシジは、それでもまだ聞いたことがあるはず。
それ以外は…
いつものように、冒険です、しかもお客様を伴って…(^^;;
今回訪問した町々は、例えばサンマリノとラヴェンナ、アッシジは実は世界遺産の町ですが、一般的な団体ツアーではあまり訪れるチャンスがありません。なぜなら、ちょっと王道コースのルートから外れていて、わざわざ行くには回り道などちょっと面倒くさいから。ボローニャも似たような状況です。
しかし、行ってみてわかったことは、今回の町はすべて最高に素晴らしい!
せっかくイタリアに行きながら、こんな素敵な町を訪れないなんて、もったいなさすぎる!!
とにかく、私のツボにぴったりはまり、オススメ度が急上昇しました(^^)♡
やっぱり行ってみないとわからないものですね!!
今回の旅行は、4名のお客様を伴っていたので、いつもの気楽な視察旅行より格段に緊張していました。
そんな私を嘲笑うかのように、イタリアは容赦ありません(^^;;
移動手段はほとんど鉄道。
そう、あの悪名高きトレニタリア!
旅行前に「運行時間の精度はかなり正確になって来た」と言われたので、「そうかそうか、イタリアもついに改心したのね」と思いつつ、しかしあのイタリア、全面的に信用するわけにはいかない(^^;;
まず最初のハプニングは、ミラノ中央駅でお客様がスリに遭いそうになったこと。
ガイドブックの注意情報に記載されているとおりの手口。本当にあるんだ…と驚きました!
幸い何も盗られていなかったようで、未遂で終わり、本当に助かりました。
これがパスポートを盗られてしまったら、もう旅行は「これにて終了」です。なにしろその後に向かう町はド田舎なので、パスポート再発行手続きなどできない、ミラノに居残りするしかないのですから。
私も大昔にローマでジプシーの子供に財布に手を突っ込まれて怒鳴り散らしたことはありますが、相変わらずイタリアの都会は要注意でした。
そして鉄道!
事前情報では「インターシティやフレッチャなど特急列車は意外と時間が正確」と聞いていましたが、なんのことはない、10分15分の遅れなんて当たり前で、誰も気にしていない様子。
乗継時間14分で予定していた列車には乗れず、次の列車までカフェで2時間待ち。
そのくせして、早く到着したり…!
気分で運行しているのか??
後で聞いた話では、現地の人は、列車がピッタリにくると逆にビックリするらしい、と…本当に先進国なのか?(^^;;
いちおう座席指定をしているものの、その車両が前なのか後ろなのか、どちらに来るかは神のみぞ知る…いえ、駅員に聞いても「まちまちなのよね」と言われる始末。だいたい、リミニなんてホームに駅員いないし!!フォリーニョ(モンテファルコの拠点)は土日の窓口閉まっているし!!ヤマを張って後ろで待っていたら、前だったので慌ててホームを走ったり…重いスーツケースを引きずりながら、お客様も一緒に走っていただいたり(スミマセン?)
全席指定の有料列車(フレッチャ)だから最新式の綺麗な列車かと思いきや、田舎路線はトイレのドアが鍵が壊れてかからず、手洗いの水は流れず…「No Water!」で済まされていた(-_-)
今回乗った列車はすべてバリアフリーではなく、重いスーツケースを持ってステップを上り下りするのはひと苦労。(先日のドイツでは、時々バリアフリー列車がきたが、イタリアにも人に優しい列車が存在するのだろうか?)
それどころか!
駅のホームをまたぐエレベーターが壊れて使えず、男性のお客様にポーターを手伝ってもらう一幕も!
もう、イタリア鉄道では「悲しいお知らせ」を避けられません(><)
こうなったら笑うしかない!
ひとつだけ「嬉しいお知らせ」は、イケメン車掌さんに遭遇して目の保養になったこと!
これについては、女性のお客様も見逃さなかったようで、その後「女子トーク」が炸裂しました(^^;;
まあ、日本のファッション誌でもイタリア男性は「素敵」の象徴ですから、現地に行けば、それはそれは、イケメン天国ですね(笑)
それで「悲しいお知らせ」は帳消しとしましょう。
そのためにトレニタリアではイケメンを積極採用しているのかも…労力の方向が違うような(苦笑)
そんな相変わらずなイタリアですが、我々が訪問したのは奇しくも「ブラックフライデー」週間。
どの町もあちこちで「Sale」をしていて、我慢をするのが大変でした(^^;;
お客様は我慢ができなかったようで、ものすごいボリュームのお買い物をされていましたが…
「お金はね、流通させないとダメなのよ。溜め込んでいたら、身体に毒が貯まるのよ。それに、現地でお金を落としてあげることが、何より現地の人のためになるでしょ!」
おっしゃる通りです。格言です!!
ウンブリアのカシミアセーターのお店。
お客様は上質なセーターを気に入ってくださり、気が付けば「爆買い」!
店ごと買いそうなほどの買いっぷりにお店の人もガイドさんもビックリ(^^;;
クリスマスまでの1か月、お店の人は遊んでいられますね(笑)
地元にかなり貢献されたはず!
そして今年のトレンドでもある「ヒョウ柄」のオンパレード。
イタリアほどヒョウ柄が似合う国もありませんよね、これには私も理性が負けてしまいました(※大阪生まれは、ヒョウ柄に血が騒ぐ…)
いったいいつになったら「素晴らしい中世(medieval)の町」を紹介してもらえるのか?と読者は不安になっていることと思います。
どれぐらい素晴らしかったかは、写真でご紹介しますので、あとは皆さまがご自身の目で確かめてきてください!(なんだそりゃ?笑)
なんて、そんなこと言ったら叱られそうなので、少しだけ解説します。
イタリアは、観光目線でも、食の目線でも、音楽や芸術の目線でも、実に素材が豊富にあります。
予習なしで行ってもそれなりに楽しめますが、やはり事前に少し知識を備えてから行くと、見えてくるものが数倍も違ってきますよね!
まず、イタリアの歴史と美術について。
私は専門家ではないので、ガイドブックなど資料をもとにざっくりと。
①ギリシャの時代が終わり、次に登場したのが「古代ローマ帝国」
紀元前3世紀~紀元後1世紀ぐらいのこと。
ポイントは高度な文化を持った先住民族のエトルリア人、その後の土木建築や軍事道路(アッピア街道など)、紀元後1世紀のアウグスティヌス帝時代のギリシャ・ヘレニズム芸術のコピーとローマ式カスタマイズ、広場、円柱、凱旋門、浴場、図書館など建築物に特徴。
②313年にコンスタンティヌス大帝がキリスト教を公認後、初期キリスト教時代。
オリエントとヘレニズムの要素をもつキリスト教的ローマ美術。
バジリカ(教会堂)、円堂(洗礼堂)、聖堂内部のモザイク、壁画、彫刻などで、不可視のもの(神)を可視化。
③ビザンチン時代、コンスタンティノポリス=ビザンチン帝国に首都が移り、西ローマ帝国滅亡(475年)。当時の芸術がラヴェンナに(→今回訪問した!)
④7~11世紀の混乱期後、11世紀頃にイタリア各地で都市復興、都市住民(商人、職人)が新たな文化の担い手となり、神聖ローマ帝国の強権が及ばず、自治都市(コムーネ)として自立意識とローマ人の子孫として誇りを持つ。ローマ的芸術=ロマネスクの成立。コムーネの精神的中心「カテドラル(大聖堂)」は宗教と政治の役割が一体化。
ロンバルディア地方→ロンバルド様式、ヴェネツィア→ビザンチンの影響、シチリア・南イタリア→アラブ様式+ノルマン・ビザンチン様式(モザイク)
⑤12~14世紀の市民文化=ゴシック。ヨーロッパでビザンチンとアラブの勢力が弱体化。西洋固有の文化形成。
リブ・ヴォールトが特徴のフランス聖堂建築が起源。フランス・ドイツのゴシック聖堂は霊の昇華を象徴する垂直方向にそびえるが、イタリアのゴシック聖堂は調和を目的に。
13世紀、イタリア固有の美術様式、彫刻(ニコラ・ピサーノ、ジョバンニ・ピサーノ)、絵画(チマブーエ、ドゥッチョ・ディ・ブオニンセーニャ)、14世紀のジョットから次の時代へ。
⑥人間の発見の時代、ルネサンス。初期はフィレンツェ、盛期はローマが芸術活動の主要地。
人体比例法、幾何学的遠近法。絵画、建築、彫刻。
レオナルド・ダ・ヴィンチ「最後の晩餐」で形式と精神の完璧な表現を達成。
⑦16世紀後半、ルネサンスが達成した古典的美の空洞化。マニエリスム芸術(蛇状曲線、象徴的表現、内的情念の表現)。ミケランジェロ、ポントルノ、ロッソ、パルミジャニーノ、ティントレット、ジャンボローニャ。
⑧宗教改革に対抗して開かれたトレント公会議(1545~63年)以後、ローマ教会は民衆教化の手段として新たな宗教芸術の育成に努める。初期バロック(古典主義、リアリズム(カラヴァッジョ))、盛期バロック(ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ=彫刻、建築、都市プランナー)にダイナミックで演劇的なバロック様式を生み出す。天国を想わせる幻視的な天井画など。
次に建築様式、特徴は前述を参考に。
- ビザンチン様式 4~11世紀
- ロマネスク様式 11~12世紀
- ゴシック様式 12~14世紀
- ルネサンス様式 15~16世紀
- マニエリズム 16世紀初頭
- バロック様式 17世紀
- ネオ・クラシック様式 18~19世紀
【ルネサンス、バロックの町ボローニャ】
【世界遺産・最古の共和国サン・マリノ】※天気悪すぎ(^^;;
【世界遺産・ビザンチン文化のラヴェンナ】※これはぜひご自身の目で!
【古代ローマ時代からの交通の要衝リミニ】※古代ローマ、ルネサンスの遺構が残る
【世界遺産・12世紀、聖フランチェスコの町アッシジ】
※この時代から表現方法が変化してきます。
はじめは左のように十字架に貼り付けられたキリストは目を見開き身体もピンとして生きているような抽象的・シンボリックな表現でした。それが「画家ジョット」の時代になり次第に、現在よく目にするような、頭を垂れ身体がぐにゃりと垂れ下がり本当に死んでいるような、より現実的・リアリスティックな表現に変わってきました。
ジョットの若い頃の作品はまだ抽象的なものもありますが、名前が売れ出してからは現実的な三次元・立体的な表現方法を取り入れています。
さらに時代を追い、教会では禁忌とされていた裸体の絵も「人間の真実」として表現されるようになる。このあたりがルネサンスですかね…
【12世紀の自治都市、ウンブリア派の拠点モンテファルコ】
【ローマ街道の重要拠点ベヴァーニャ】※ガイドブックに載っていない町!
最後にワインについて。これは本当にざっくりと。
イタリアワインの等級
- テーブルワイン Vino da Tavola
- 生産地表示典型ワイン I.G.T.
- 統制原産地呼称 D.O.C.ワイン
- 統制保証原産地呼称 D.O.C.G.ワイン
D.O.C.G.ワイン (Denominazione di Origine Controllata e Garantita)
厳密に境界を画された生産地域を故郷とし、ブドウの種類をはじめ、最低アルコール含有量、製造法、貯蔵法、味覚上の特徴などに関する法定特別製造基準にかなったものがD.O.C.ワイン、さらに品質の高いものがD.O.C.G.ワイン。
これぐらいの知識があれば、まあまあイタリアを楽しめそうです。
あとは料理についてですが、幸い日本人はイタリアンとフレンチに関して、それなりに馴染みがあるので、あとはぶっつけ本番で(^^;;
【今回も食べすぎ…笑】
今回は現地で二人の日本人女性に協力していただきました。
一人はサンマリノで、国から依頼されて音楽の普及活動を行っている素晴らしい音楽家さん。
もう一人はベヴァーニャのファームハウスの一員で、イタリア語を勉強しながら、ウンブリアの良さをもっと日本人にも知ってもらおうと頑張っている若い女性。
いずれも他のお客様からのご紹介で、ご縁がつながり、現地で丁寧な案内をしていただけました。
私の中では、どんな観光スポットよりもどんな美しい景色よりも、この「人のご縁」ほど素晴らしいものはないと感じています。
遠く離れたイタリアで孤軍奮闘するお二人に、日本から盛大なエールを送りたい!!
今後は積極的にサンマリノとベヴァーニャを売り出していこうと決心した次第です(^^)
両方ともとても素晴らしい町なので、ぜひ皆さまも一度足を運んでみてくださいね!!
当社ではウンブリアのファームハウス滞在を取り扱っております。
周囲には畑しかないファームハウスで、本物のスローライフを体験してみませんか?
ここからアッシジ、モンテファルコなど中世の町へタイムスリップ!
「イタリアの中心・ウンブリアでアグリツーリズモ!」
ぜひ次回の旅先として(^^)
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