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古墳・はにわの神秘に迫る!


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やっと流氷レポートも終わり、居残り学生のように課題をたくさん抱えた私は、エストニアレポート(教会と音楽セミナー)とワインレポート(旅行を楽しむためのワイン講座)を勝手に割愛し(苦笑)、渾身の企画、古墳はにわ講座のレポートにワープします(^^;;

先月、2月20日、私が先生に頼み込んで実施していただいた新企画の「古墳・はにわ講座」がありました!

快く引き受けてくださった奥住先生。古墳と埴輪を愛してやまないようです(^^)

しかし、場所がかなり不便なこともあってご参加者がとても少なく、このままでは中止も危ぶまれましたが、先生が「知っていただくことが大切。人数が少なくてもやりましょう!」と背中を押してくださったので、なんとか無事実施できました。本当に先生のご厚意のおかげです(^^)

どれくらい不便な場所かといえば、成田空港から近いには近いのですが、電車だと成田駅からローカル線とバスの乗り継ぎ、本数は限りなく少ない…(-_-)
車だと東関東道の冨里か圏央道の松尾横芝からですが、圏央道は埼玉方面からつながっておらず、横浜方面からだと海ほたる経由となる…
他に、大崎(東京)から成田空港行きのバスで芝山役場まで行くのですが、その先はローカルバスで、これまた本数が数えるほどしかない…
そんな不便な場所だから、行き帰りだけでも時間とお金がけっこうかかる。古墳・埴輪に興味があっても、なかなか参加表明する勇気が出ないのはよくわかります。
だから、参加してくださった数少ないお客様の英断に、心より感謝です!

成田空港から近いのに交通が不便であまり知られていない古墳はにわ博物館…。外も中も埴輪(レプリカと本物)があり、フアンはかなり楽しめる!

開催地:芝山町立芝山古墳・はにわ博物館

ところで、この芝山の古墳群は、考古学の世界では実はとても有名なのだそうです。
後日、先生が教えてくださいました。
しかし、上記のように場所がとても不便なため、一般の方々にはほとんど知られておらず(地元千葉の人でさえ知っている人は少ない)、せっかくの貴重な遺跡がまったく活用されず、非常にもったいない状況なのです。
まるで先月訪問した、北海道・苫小牧の「ミール」と同じ状態です?
世の中には、埋もれている価値ある資産がいかに多いのか、思い知らされる日々です(-_-)

そんな人里離れた場所でのチャレンジングなセミナーでしたが、始まるとなかなかの熱狂ぶり。

セミナーは、①講義、②古墳見学(空模様が怪しかったので順序入替え)、③仁王尊博物館見学、④町立博物館見学、の順で午前11時~午後4時半までの長丁場。

たった5名(当社スタッフ入れて)の受講者ですが、皆さん非常に好奇心旺盛で知識の幅も広く、先生の機転もあって対話形式の講義となり、質問と意見交換の繰り返しで、あっという間に午前の講義が終わりました。
あくまで結果論ですが、5人で良かったかも。(負け惜しみではありません?)
もし20人とか大人数だったら、当然レクチャー形式となり、先生との距離が開いてしまう。
すると、質問したくても躊躇したり、実物をその手で触るチャンスもなかったかもしれません。
多くて8人ぐらいが最適人数だな、と思った次第です。

「触ってみてください」の言葉に、みな一斉に手を突っ込む(笑)←全員おとなです(^^;;
副葬品の銅鏡、実は裏面が謎だったが、磨きあげたレプリカを見せていただき納得(^^)
副葬品の勾玉、博物館では子供用に勾玉づくり体験がある。本物はヒスイやメノウ。上のヒレがついているのは「子持ち勾玉」子持ち昆布みたいだ(^^;;
このエリアは古墳があちこちにあるため、道路や建物の建設前に土地を掘って調査をする。出土品は大学や博物館に収め、発掘や出土時の写真を撮って終了。鉄剣が出土した場所は、現在は消防署。

午前の部だけで、もう胸がいっぱい(^^;;

ちょうどお腹がすいたので、先生を囲んで仲良くランチ!

ランチは近隣の「まんぷく食堂・仙多郎」さんに頼んで幕の内弁当を届けていただく。
芝山はお米(多古米)と野菜が美味しいとのことで、できるだけ地元食材をふんだんに使っていただきました(^^)
かなり美味しかったからか、全員みごとに完食!

地元はお米と野菜が美味しいそうです!近隣の道の駅でも採れたての野菜がたくさん並んでいます(^^)

お腹も満たされたところで、一つ目の目玉、古墳見学スタートです!

発掘時に赤外線をあてて反応したところに「なにか」があることがわかるらしい。右の円の中の赤い部分は石室だった。
埴輪は墓の外に向かって置かれていたそうです。古墳から見下ろす先はかつての集落。祭祀や葬列など儀式を再現していると思われ、ピラミッドや兵馬俑のように亡くなった王があの世へ連れていくのとは異なり、領民に権力を伝える役目と考えられているらしい。

古墳は、この芝山町周辺にはゴロゴロあります。
高い山のない地域で、田んぼや民家の集落のような平坦地にモッコリと木が生い茂った丘があれば、それはきっと古墳。あまりにありすぎて、有難みがぜんぜん感じられない(苦笑)

これも後日の写真。造成途中の工事現場みたいですが、これ、古墳の地層ではないですか?

さて、芝山古墳群「殿塚・姫塚」を見学し、この時点で全員かなり感無量の状態(笑)
しかし講座はまだまだ続く(^^;;
今度は仁王尊へ圧巻の埴輪を見学にいきます!

仁王尊への参道には、かつての旅館が3軒だけ残されています。
ここ芝山は成田空港に隣接、騒音のため工場やゴルフ場が多く、あまり人が住める環境ではないという特殊事情があるそうです。
そのため、かつて周辺にあった家は取り壊され、旅館3軒だけが保存されているとのこと。
講師の奥住先生は、時々この旅館の掃除もされているとか…大変だ?

たしかに飛行機が近い!しかも1分ごとに飛んでいく。
仁王尊は成田山とセットで、かつて江戸から参拝に多くの人が訪れたそうです。
昭和31年の発掘調査、当時は行政機関は関与せず、お寺が大学と組んでいろいろ掘っていたらしい。その時の出土品をこのお寺で保管。
傷が少なく美しい埴輪が数多く保管されて圧巻ですが、内部は撮影禁止のため、私のメモ書きで我慢してください(爆笑!)

 

さ、いよいよ最後、博物館に戻ります。

こちらは撮影可能なので、先ほどの欲求不満を解消する皆さま(^^;;
芝山はちょうど下総と山武の境目なので、両方の特徴をもった埴輪が存在したそうです。山武型は顔が優しく服や装飾が細かく、足もちゃんと表現している。下総型はちょっとテキトー(笑)
後ろのパネルに、先ほど見た姫塚から出土した埴輪の配列が描かれている。通常、埴輪は割れたり落ちたりしてぐちゃぐちゃに出土されるが、姫塚は奇跡的に立ったままの状態で出土したため、古墳時代の研究に大きく役立ったそうです。
石室の復元。石室は、前期は竪型で蓋をしたらおしまいのお一人様用だったが、後期は横穴式になり後から家族なども埋葬できたそうです。現代のお墓の原型ですね(^^)
千葉にはこんなに多くの古墳群が存在する!

あとで先生も解説してくださいましたが、全国に古墳は16万基ほどあり、その中で兵庫が第1位の約18800基、千葉は第4位で約13000基もあり、関東では最多です!関東次点の埼玉が3000基、神奈川は1000基、東京は700基ですから、群を抜いて多いのです!チーバ君やフナッシーだけではない、実は古墳王国なのです!!
かく言う筆者、千葉県在住のため、かなり千葉びいき…笑
ちなみに千葉県民の多くは「千葉都民」と自嘲しながらも、実は心の中では「千葉ラブ」です(^^;;
せっかく成田空港というラッキーな拠点を持ちながら、東京や横浜にお客さんを奪われて悔し涙を流しているのでした…(ToT)
話を戻し、古墳は3世紀~7世紀に存在したものなので、当然、北海道や沖縄には存在せず、東北も豪族が北上した宮城、岩手、山形まで。秋田と青森には存在していませんでした。
千葉県は、かつてヤマト政権が東北へ進出する足掛かりとしてちょうどよく、高い山がないため開発しやすく、また強い豪族が地元にいなかったためヤマトから多くの人(豪族?)が入ってきて、一気に古墳ができたと考えられているそうです。昔はヤマト、今は千葉都民…この外部に依存する千葉県民の性格、昔からだったのか(-_-)

博物館には古代の家の再現もあり、皆さん興味津々!

こんな充実の5時間!
皆さん、完全燃焼しました!!

なぜこの2月という寒い時期にセミナーを実施したか、それには深い理由があります。

日本でいちばん大きな古墳といえば、大阪の仁徳天皇陵。教科書にも写真が載っていたので覚えていらっしゃると思いますが、鬱蒼とした木々に覆われていますよね。古墳は大きさの差こそあれ、だいたいどこもそんな感じで木や草に覆われているのが現状。想像してください。春から草が生え始め、誰も草刈りなんてしないので、夏には木や雑草が生い茂り、虫もたくさんいて、とても人が踏み込むことはできません。
これらの草木が枯れてなくなる冬場が、古墳見学にいちばん適した季節だったのです。
それを見越して、わざわざ2月にセミナーを設定したのでした!

冬場は草木が枯れて、見学にいちばん適している

こんな古墳と埴輪の世界。
なぜ私がセミナーを企画するほどに古墳や埴輪に入れ込んだのでしょうか?

実は自分でもよくわかりません(^^;;

ただ、最初は神社の神様を理解するため古事記の解説本を読み、天孫降臨や初期の神様たちの話、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が横須賀から海を渡って千葉にやってきた話などを知り、日本の社会制度のスタート地点がこの時代にあったと思うと、急に愛着というか、自分探しの旅に出るような気持に襲われたのです。

それに、あの埴輪たちの愛くるしい表情!

遠くを見つめるすずやかな目とおだやかな顔つきは、なにを思い、なにが見えるのでしょう。わずかに開いた口元は、なにを語りかけてくれるのでしょうか。

髪の結い方、二重のネックレス、儀式のための化粧、帽子、服装、刀などの携行品。
はるか1500年以上も前の古代日本なのに、今と変わらず皆さんオシャレで、意志を持って生きていた。
それを想像したら、興奮してきませんか?(古墳にコーフン…笑)

芝山町では、毎年11月上旬の日曜に「はにわ祭り」を開催しています。
( ↓ 昨年の情報)

11月11日(日)第36回芝山はにわ祭が開催されます!

私が奥住先生を口説きに行ったのはこの日。
まずは自分の目で見てから!と、いつもの積極アプローチです(^^)

小学校の学芸会か?と思わなくもありませんが、「古代人が一日だけ現代に降臨して、カツを入れに来る!」という構想が面白くて。
古代人代表・領主(豪族のトップ)は、れっきとした俳優さんで、もう何年もこの大役を務めてくださってるそうです。
さすが俳優さんだけあって、貫禄たっぷり。
そして、「古代人からのメッセージ」では、現代社会に発生する数々の問題を憂い、古代日本の原点に立ち返り、今一度よく考えながら生きてほしい、といった話をしてくれました。

これまで私は音楽や絵画など芸術は好きでしたが、遺跡など考古学はあまり興味がありませんでした。
しかし、今回このセミナーを企画していくなかで、過去を知るだけでなく、その時代にどんな生活が営まれていたのかを、出土品や遺跡から想像していくスケールの大きさに、少なからず感動を覚えたのです。

「はにわは私たちに何を語りかけてくれているのでしょう」

宮崎の西都原、大阪の仁徳天皇陵、奈良の箸墓(←卑弥呼のお墓と言われている!)…
今年は古墳&はにわ巡りツアーを企画するぞ!!

皆さんもぜひご参加くださいね(^^)
そして、この芝山町にも足を運んで、ぜひ古代人のメッセージを体感してきてください!!

私に会いに来てね!

※次回の「本気の」古墳はにわ講座は、来年(2020年)2月の予定です。
その前に、座学形式の古代(縄文から古墳時代まで)のレクチャーを計画しています。
順次、メルマガやFacebookでご案内しますので、ぜひお楽しみに!!

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