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人情に出会う旅 前編 愛媛・佐田岬


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すっかり春らしくなりましたね。
今年はまだ海外に出ておりません。
そろそろ異国の風を浴びないと、感覚が鈍りそう…

先週は愛媛・広島へ行ってきました!
3か月連続で北海道と思ったのですが、急に考えが変わり…
広島にゲストハウスを自分で作ってしまった(リノベーションを自分でしてしまった!)ツワモノの友人がいたので、オープン間もない今のうちにぜひ行ってみようと思い立ったのです(^^)
そして、広島から足を延ばせて、まだ行っていないところは…と考えて。
ひとつは、しまなみ海道。
そしてもう一つは、愛媛の佐田岬!

実は佐田岬、かれこれ7年越しの思いがあったのです?

7年前、四国お遍路に行った際に(根性ないのでタクシー遍路)、灯台フェチの私は有名な足摺岬、室戸岬のほかに、愛媛の端っこに細長く伸びる岬を発見!タクシー運転手さん(兼 先達さん)に佐田岬にも行きたいと申し出たところ、「あそこに行くと時間が足りなくなるからダメ」と簡単に却下。それ以来、愛媛に行くことはなく、ずーっと心の端に引っ掛かったまま、実現できずにいたのでした。

そして今回チャンス到来!

せっかく広島へ行くなら、佐田岬もありでしょ!(本当か?)

さっそく旅程を組む。
友人の待つ広島は最後にして、まずは難関から攻めることに!!

実際に旅程を組みながら時間配分をして、佐田岬が本当にかなり遠いことが判明。
松山空港から軽く3時間はかかりそう…そんなに遠いの!?
そして、地元愛媛の人でも遠くて行ったことがない人がチラホラいることがわかった(^^;;
とんでもない選択をしてしまったかも…と一瞬不安がよぎる。
でも今後再びチャンスが到来するかわからないので、行くと決めたら行くのです!!

ようこそ愛媛へ(^^)

急に決めた旅行だったので、事前調査があまりできておらず、飛行機の中であわてて立ち寄りスポットを調べる付け焼刃。佐田岬の情報はほとんど出ていない。
まず空港でレンタカーを借りるときに、「佐田岬へ行きます」と言ったら、海沿いの「下灘駅」が素敵ですよと教えてくれました。
素直な私は、その通りに立ち寄る。

行くと、それまで人影まばらだったのに、そこだけ急に若い子たちで溢れ返っていました。
どうやら、映画でも時々使われるようで、無人駅の風情がとても良いらしいのです(^^)
素朴な駅舎、線路、海が同時に見える場所。

素敵ですねぇ(^^)

のんびり次の電車を待ちたいのはやまやまだが、1時間以上待っていたら、佐田岬に到達する前に日が暮れてしまう!
後ろ髪を引かれながら、本来の目的地に向かい出発。
その後は、道中ところどころ瞬間的に立ち寄りながらも、ひたすら岬の先端目指して走る、走る!

佐田岬は、日本一細長い半島です。

こんなところ

岬の付け根から約50km、昔はかなり大変な道で国道197号は「イクナ」と揶揄されていたとか。
今は国道が整備され、メロディラインが何か所かあり、走りながら「ミカンの花咲く丘」とか3曲ほど聴きながら、快適にドライブできます。でも遠い(^^;;
そして、私が予約したのは本当に先端近くの民宿。
快適だった国道が、フェリー乗り場を越えたあたりから急にくねくねの細い道に変わり、ナビを信用していいのか不安になる状況での走行となる。
ああ、またこんなところに来てしまった(><)

私の目的は、半島をドライブすることではなく、灯台!
そして、この灯台は夕陽がとても似合うらしい!!
何としても夕陽に間に合わせなければ!!

なんとか駐車場に到着したものの、そこからさらに25分遊歩道を歩かなければいけない。
昼間は晴れていた空が、ドライブ中だんだん曇ってきて、夕陽も怪しくなってきた。
そして遊歩道は鬱蒼と木々が覆いかぶさっている。
「イノシシ注意」の看板もある!

駐車場に数台車が停まっていたので、おそらく灯台に人はいるはず。
勇気を出して歩き始めること半分ぐらい、向かいから人がやってきて「灯台へ行くんですよね、さっきイノシシを見かけて危ないから引き返してきました。気を付けて」と言われてしまった?
そ、そんなー!
ここまできて、引き返すなんてー!!
かなり悩んだが、灯台を観たい気持ちが勝ち、勇気を振り絞って歩を進めることに。
すると、私の目の前15mほどを3匹の親子イノシシが横切って行った!
ひぇー??
こっちに来ないでー!!
都会に住んでいると、イノシシとか熊とか、野生の動物にかなり疎くなりますが、実際にはちょっと山に行くと、動物天国なんですよね。小豆島でもイノシシに遭遇したし、北海道でも目の前をエゾシカが横切って行った!
「カワイー」なんてレベルではなく、かなり危険。
恐怖と闘いながら歩き続け、やっと灯台が見えてきた。
そしてさっきまで曇っていた空の合間から、夕陽が淡い光を放つのが見えてきた!

急げ!!

赤く燃える夕陽ではないものの、なかなか幻想的な夕暮れと灯台の景色に遭遇できました(^^)

美しい光景に一瞬だけ恐怖が吹き飛んだ!
完全に日が沈む前は水平線がピンクに染まる
四国最西端!

恐怖と闘いながらの到達ゆえ、感動レベルは最高潮!

しかし、登山と同じで、行ったら戻らなければいけない。
しかも、夕陽が沈み、遊歩道がだんだん暗くなってきた。
「お願い、イノシシ、出てこないで、神さま、お願い!!」と、そこらじゅうの神様に祈りを捧げながら、競歩のように必死に歩く、オリンピックに出られそうなレベル!アップダウンがかなりあり、もう汗だく、喉はカラカラ、しかし、痙攣を起こしそうな足を引きずりながら、25分かかる道を15分ちょっとで何とか無事駐車場に戻った。ほかに人はいない、私一人でした。

いやー、本気で命がけでした??
皆さん、マネしちゃいけません!
安全第一です!!

灯台見学後、宿に向かう道を間違えて廃校の小学校に迷い込んでしまった、ちょっと怖かった(><)

後で宿の人に聞くと、どうしても夕方は曇ることが多くて、なかなか綺麗な夕陽には出会えないそうです。
そして、イノシシは夜行性だから、昼間は大丈夫だと…(^^;;

命がけの灯台見学を終えた私を、宿で温かく迎えてくれました。

海鮮づくしの料理にたまげた!
そして、まろやかな味わいの地酒にすっかり有頂天(^^)
佐田岬は、地酒の宝庫でもあるらしいのです。
今回は1種類しか飲みませんでしたが、今度は(いつだ?)いろいろ試してみたい!

翌日、週間予報では雨だと思っていたら、見事な快晴!

宿のおばちゃんに「豊後水道は見ましたか?」と聞かれ、イノシシのことばかり考えていて、すっかり見落としていたことに気づいた私。
「天気がいいから、もう一度行ってみては?」の言葉に背中を押され、再び片道25分を歩くことに(^^;;
昼間なのでもう怖くない!
前日の恐怖はなく、快適なトレッキング。

昼間は快適な散歩道。木が生い茂っていても怖くない(^^;;

そして、見事な灯台、豊後水道、対岸に見える九州!
豊後水道は、太平洋と瀬戸内海が交わる場所。海の色が青く帯状にたなびき、よくわかります。

豊後水道がはっきりわかる。奇跡の快晴!

この岬から対岸の大分県まで、わずかに16kmなんだそうです。
半島の付け根に行くより近いじゃないか!

日本一細長くて大分まで16kmの佐田岬!

しかしまあ、なんという絶景なんでしょう!
そして、この快晴!
奇跡としか言いようがない!!

観光は、天気に大きく左右され、雨だと本当に残念でしょうがありません。
途中、工事のおじさんも「昨日、一昨日は強風で、灯台まで行けなかったんだよ、お客さん、本当についているよ!」とおっしゃっていた。
毎日毎晩、寝ずに仕事を頑張っているご褒美か!?(笑)

前日、恐怖で行けなかった砲台跡まで行ってみる!
外からみた砲台跡、岸壁に洞窟を掘って作った
貯水池に地元の小学生が遠足に来ていた。帰り際にお互い「さようならー!」と手を振りあった(^^)

人間、生きていると辛いこと、悲しいことがたくさんあります。
しかし、こんな美しい絶景に出会ったとき、瞬間でも悲しい気持ちを忘れさせてくれる。
だから自然美が好きなのです(^^)

灯台にすっかり満足した私、あとは帰るだけ…ではなく(^^;;
宿のおばちゃんから教えてもらった情報やら、少ないながらも自分で調べた情報をもとに、野を越え山を越え(本当に山を越えた!)岬の付け根を目指す。

尾根に並ぶ風車の数がすごい!
佐田岬でいちばん標高が高いところ。展望台からの景色を観たくて、誰も通らない山道を走る…その後、お菓子屋さんで「渋いところに行きましたね!」と言われました(苦笑)
お店は路地の中にあるが、昔はここがメインストリートだった。偶然地元の人が通りかかり(神様の化身かも)お店に連れてきてくれたが、自力では発見できなかったはず!
名物うにまんじゅうは、ウニが入っていなくてホッとした(笑)
宿のおばちゃんが教えてくれた麦みそ。白みそのようにほのかに甘くて美味。この地域(大分も)でしかお目にかかれない。
宿のおばちゃんが手渡してくれた太巻き、ひと通り観光を終えて、かぶりつきながら今治を目指す!時間がない中で、天の恵みのようでした(^^;;

この佐田岬、大きくわけて3つの集落に分かれています。

いちばん先端部分の集落は石垣で囲まれている

そして、どの集落もかなり険しい山で、よくこんなところに家が建ってるな、どうやって建材とか運んだんだろう?と驚くのですが、どうやら陸路ではなく、海から運ぶらしいのです。言われて納得でした!
昔は陸の孤島と言われていた佐田岬。
しかし、厳しいだけの自然環境ではなく、豊富な海鮮、春は山桜、あちこちにミカンの木。そして厳しい自然環境を生き抜く人々の温かな心。それに魅了されて、移住する人も増えてきたそうです。

漁港と風車のコントラスト
あちこちにミカンの木、さすがミカン王国!
うにまんじゅう店主が教えてくれた隠れ家カフェは、本当に隠れてしまいそうな場所にあった(^^;;

ところで、私は事前準備があまりないにもかかわらず、現地でいろいろな人と出会い、いろいろな情報を得ることができます。なぜだろう?私にあまり警戒心がなく、すぐ他人に話しかけるからでしょうか(^^;; もともと社交的な性格だからでしょうか。一人で見知らぬ土地を旅する姿を可哀そうと思ってくれるからでしょうか(^^;;
とにかく、土地の人々の優しい心遣いのおかげで、私の旅は一層充実したものとなっています。
「人情に出会う旅」
まさに地でいってます!

しまなみ海道以降も人情の旅は続きます。

後編、お楽しみに!

 

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