Close

極寒の自然美 流氷に想う


(back to Top page / ホームに戻る)

時間の経過とは本当に早いもので、史上最強マイナス30℃の大寒波が北海道を襲った日からすでに2週間以上が経過していました…。
その時、まさに私は、北海道にいた!!

そして帰京後のこの2週間、教会と音楽セミナー(エストニアコース)ワイン講座第2回古墳はにわ講座と、次から次へとセミナー実施。息つく間もないとは、このこと。それぞれレポートしなければいけないのに、まるで何もできないダメな私です(-_-)

先月も北海道に行ってなかった?

→ブログ:真冬の北海道旅情

そうです。また北海道でした(^^;;
なぜか久しぶりに北海道に入れ込み、今年は北海道イヤーにしようかと?
だって、北海道は広い!
札幌や函館は飽きてしまいましたが、それ以外にまだ見ぬ魅力がたくさん埋もれているのですから!

ちょうど日程が重なったので、札幌雪まつりも見てきた…この日は札幌でも氷点下12℃、意識がなくなりそうな寒さ。それなのに観光客のこの元気がすごすぎる?
オタクの友人が言っていたのがコレか!この極寒の中、よく並んでいられるものだ(><)
帰りの飛行機AIR DOコラボのミクファイル、オタクの友人に買っていってあげました…CAに「私のじゃないんです!」と不要な言い訳(^^;;

今回は流氷にチャレンジでした。

流氷の観測地は、知床、網走が有名ですが、私が行ったのは「紋別」。
他の2つの町に比べて、場所もあまり便利ではなく、ちょっと地味なイメージでしたが、この流氷を見るがために、日本人も外国人も、多くの観光客が押し寄せていた!
紋別がこうなんだから、網走・知床はもっとすごいのか??

朝焼けがよく似合う紋別の町
廃線が続くJR北海道。かつては線路だったことを示している列車マーク。直前に地元のお店で教えてもらったから気づいたが、聞いてなければ確実に見落としていた(^^;;
冬は海が凍り付いて漁に出られないから漁船は陸揚げされている
そのため冬の紋別の魚は他の地域から仕入れたものだそうです。海が近いのに残念、これも自然の厳しい試練

しかしまあ、史上最強の大寒波。
狙ったかのようにやってきた!
もう、寒いのなんの!!
スキー場でさえマイナス5℃~10℃。
それより寒いなんて、想像がつかない…
いくら流氷が見たいからって、何もそこまで寒くならなくても。
身も心も凍りそう。こんな寒い中、それでもたくさんの人。みんな本当に物好きだ…!

サンライズクルーズの朝は氷点下15℃!
大寒波にも負けないツワモノ観光客たち(^^;;

ところで、私が流氷を見たかった理由は、少し変わっています。

きっかけは旭川出身の三浦綾子さんの大作「氷点」。
正確には「続・氷点」の方なのですが。
この小説の最後のシーンに、悲劇の主人公が赤く燃える流氷を見て心を震わせた、というのをずっと覚えていて、それで私もいつか見てみたいと思っていたのです。

この小説を読んだのはもう15年以上前のことで、強烈な印象のところだけ覚えていたものの、あらすじがあまり定かでなかったので、この機会に読み直そうと文庫本4冊を持参して旅に出ました。
ところが読み始めると、あまりの内容の重さになかなか読み進められない。
以前読んだときはもっとスラスラ読めたはずなのに、いちいち登場人物の心の動きに引っ掛かり、ぜんぜんページが進まないのです。きっと15年前と比べて、私自身がいろいろ経験を重ねたために、登場人物の心境や、作者が意図的に隠した行間の声が見えてしまって、「わかる、わかる」と感情移入してしまったからでしょうね。(偶然にも主人公の名前は私と同じなのでなおさら!)
15年前には気づきもしなかった登場人物の苦痛・苦悩。
歳を取るとはこういうことなのか、と痛感しました。
結局、帰京までに読めたのは1冊だけ。その他の3冊は戻ってから読みました。
重かった…(-_-)

氷点、続・氷点の大きなテーマは「原罪」。
いまでこそ「教会と音楽セミナー」のおかげでキリスト教に少しは知識がつきましたが、アダムとイブの話に遡り、人間が生まれながらに持つ罪をいいます。
そして小説では、その「罪」と「許し」がテーマなのです。
もう、それだけでも重すぎて。
「許し」とは、人間の行為の中で、いちばん難しいといわれています。
次々に降りかかる苦難のため、ついに心が「氷点」に達して凍りついてしまったのが前半のラスト。
そして自分の存在自体が許せず心を閉ざし苦悩し続けた主人公が、ついに「許し」の境地に達したのが最後のシーン。
生まれてきたことは自分の責任ではないのに自分の存在を許せないなんて(そして自分を生んだ母も許せない)、どんなに辛く悲しい日々だったか。その間にもあまりに残酷すぎる不運な出会いの連続。愛と自己形成の達観。それらの解決に、この北海道の厳しく粗削りな大自然があまりに適していたと感じたのでした。

厳しい自然環境にひとり頑張る赤灯台があまりに愛おしい…

旅行中にそこまで読めなかったので、最後のシーンを思い描きながら流氷を見ることはできませんでしたが、寒さで冴えわたる空気の中で目にした朝日に照らされる凍てついた海の光景はあまりに美しく、人間のちっぽけさを認識させられました。

凍てついた海に一条の光。オレンジに染まる空と海。美しさのあまり、乗客はみな言葉少なく感動を噛みしめていました!(動画あり)

こういう重いテーマの本を読むと、人間が深くなるのは良いのですが、あまりに重すぎて、しばらく頭がこのテーマから離れられないのが困ります。
つまり、私までしばらくドンヨリと暗くなってしまうのです。
単純なので、すぐ影響されてしまう(><)

だから回復するのに2週間もかかってしまったのですよ…(半分言い訳)

気持ちが沈んでいると、文章って書けないものですね。
文章だけではない、例えば絵画でも音楽でも同じ。
芸術は豊かな心の表現なのに、悩みやストレスを抱えた状態では、荒んだ心しか表現できません。
そんな時に良い作品が描けるはずがない…まあ、ムンクの叫びみたいなのもあるにはあるが。
流氷レポートしなければと思いながらも、暗い気持ちの状態で書くと、重苦しいネクラな文章になりそうだし、何より気力がわかないのです。

いつもエネルギー満開の私がここまで沈み込んでしまうなんて、小説の影響力(破壊力?)ってすごいと思いました(><)

もう回復したので大丈夫です(^^;;
いつまでも沈んでいたら、仕事になりませんので…

次回から、旅行の前後に暗い(重い)本を読むのはやめようと心に誓いました(-_-)

ところで、流氷はいつでも見られるものではないそうですね。
どちらかといえば、見れない確率の方が高いとか。
たしかに、私の友人に2度も見に行って2度とも見られなかった気の毒な人もいます。
地元の人でも、そうそう絶景に出会えるわけでもないらしい。

朝はあったのに、午後にはすっかり消え去っていることもあるとかで、本当にタイミングと運しかないようです。

湾内まで氷が入ってくるのは近年稀に見る幸運だそうです。これも大寒波の影響か。良くも悪くも…(^^;;
私が見た氷にはアザラシが乗っていなかったので不安でしたが、流氷センターの人に見せたら「大丈夫、これ流氷です、バッチリですね!」と教えてくれて、ひと安心した(^^;;

私が見た日は、早朝から最終便まで、すべて流氷に出会えたようです。
あの大寒波に耐えたご褒美ですね!
この日の全員は本当に幸運だった(^^)
この幸運を感謝しなければ!

【刻々と表情を変える美しい流氷】

旅行会社としては、国内でも素晴らしい絶景や街並み、イベントに出会える旅をプロデュースしたいのですが、便利なネットのおかげでほとんど自分でできてしまうこの時代。日本語が理解できれば、今やどんな僻地でも自力で行けてしまいます。それこそ旅行会社の存在意義がないという悲劇(ToT)
流氷の紋別も、個人のお客さんが自力でたくさんいらしてました。
なので、仕方ない。
よほど自分で調べるのが面倒な方が流氷を見に行きたくなった時に当社を思い出していただくとしましょう(^^;;

紋別は、他の流氷の町より少し地味ですが、その分あまりガツガツしておらず、外は寒いが人がほんのり温かくて、なんだかホッとする町でした(^^)

外は寒いが、土地の人たちは心が温かい!と言っていた屋台のオジサン、良い笑顔(^^)
振り返ると美しい夕暮れの空と大地、そして紋別をあとにする

もうすぐ流氷シーズンは終わりますね。
ぜひ来シーズン、皆さんも厳冬の自然美を堪能しに行ってください!
運を天にまかせて!!
大寒波にも負けないで(^^;;

今年はもう少し北海道を探検してみようと思います。
そのうち「北海道ページ」を作りますので、ぜひお楽しみに(^^)/

最後にオホーツクの天使クリオネ♡ クリックして動画も見てね(^^)

旅行・セミナーのお申し込み・ご相談はこちらまで↓

Emai info@i-travel-square.tokyo
Telephone 03-6706-4700 (平日10時~18時)

(back to Top page / ホームに戻る)