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モラヴィアの宝物


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こんにちは!毎日雨で洗濯物が乾きませんね…梅雨だからしょうがないけど。
(そういう今日は、晴れましたが…笑)

先週はチェコ・スロバキアへ行っており、この月曜の夜に帰ってきました。

当初の天気予報では、現地は毎日「曇り時々雨」でしたが、実際に雨が降ったのはたった1日、しかも観光がひと通り終わって「さてホテルへ戻ろうか」と思っていた時だったので、相変わらずの「海外限定晴れ女」ぶり健在でした!!※最近は国内でもけっこう晴れるようになり、ホッとしているところですが…(^^;;

さてそのチェコ・スロバキア。
チェコといえば「プラハの春」、そして世界遺産で美しい街並みの「チェスキー・クルムロフ」。
ではスロバキアと言えば…出てこない(笑)
「ああ、スロバキアね、こことあそこと…」
とスラスラ出てくる方はすごいです!!
チェコとハンガリー、そしてウィーンに圧倒されて、どうしても陰に隠れてしまっている気の毒な国がスロバキア。首都の「ブラチスラバ」だって、クイズの難問に出てきそうな名前です(^^;;

ブラチスラバ名物のチュミル像、皆の撮影スポット(^^;;

そして今回訪問したのは、そのクイズ問題の「ブラチスラバ」、そしてチェコは「ブルノ」「オロモウツ」「ミクロフ」「クロムニェジーシュ」…
皆さま、この中で名前を知っている町はありますか?(笑)
相変わらずの変態ぶりも健在です(^^;;

そんなところに、いったい何があるんだろう?
それは内緒…いや、内緒にしちゃ話が終わってしまいますね(^^;;
実はどこも素敵な場所なので、もったいないけどご紹介いたしましょう!!

「紹介しましょう~」ブラチスラバ城・バロック庭園

まず、チェコ・スロバキアの歴史を少し振り返ります。

  • 大昔(7世紀頃までに)スラブ民族が定住して国を作る。
  • チェコでは(ミュシャのスラヴ叙事詩によく登場する)フス戦争が起こる(1419~36年)。
  • そのうちオーストリア・ハプスブルク家による支配が始まる(1526年)。
  • 1918年、第1次世界大戦後にオーストリア=ハンガリー二重帝国が破れ、マサリク氏がチェコスロバキア独立宣言、チェコ初代大統領となる。
  • 1938~1945年、チェコはボヘミア・モラヴィア保護領としてドイツに編入、スロバキアはドイツ保護領。
  • 1947年~ソ連の干渉で社会主義政権へ。
  • 1968年、プラハの春。
  • 1989年、民主化運動高まる。
  • 1993年、チェコスロバキア解体
  • 2018年(今年)、チェコ・スロバキア誕生から25年、チェコスロバキア独立から100年

ヨーロッパの小国にありがちな、ハプスブルク家やドイツやソ連に支配・干渉され続けた気の毒な国ですが、スラブ民族のアイデンティティをずっと温め続け、大国に屈しなかった歴史を持っています。

そういう背景を知っていると、旅先での目線が変わってくることは言うまでもない。

↑ブラチスラバの自然史博物館前には、初代大統領トマーシュ・マサリク氏の像が立っています。チェコのクロムニェジーシュでも見かけました。また、チェコ・ブルノにはマサリク大学があり、メンデル博物館は同大学の所属です。

今回は、チェコ第2の都市「ブルノ」で、チェコスロバキア100周年イベントがあると聞いて、ちょっと様子を見てこようと思い立ったのがきっかけです(^^)。

なぜプラハじゃなくブルノだったのか、そこは不思議ですが、スルーすることにする(^^;;

【RE:PUBLIKA】
イベント最終日の前日に行ってきました!
ビッグサイトのようなエキシビション・センターでは様々な催し物が開催されていて、皆さん楽しそうでした(^^) ちょうどホテルに戻ったころ、花火が打ち上げられる音が聞こえてきました。3週間にわたるイベントの締めですね!
動画:コンサートの様子

行くと決めたら、せっかくなので、もっと情報が欲しい。
そこで我が「教会と音楽セミナー」の渡邊先生に無理言ってお願いして、「チェコ・セミナー」を実施したのが4月のこと。
さすが教会と音楽のプロ!
某ガイドブックに載ってない情報がわんさか出てくる!

チェコセミナーのブログはこちら↓
「ミュシャは一歩間違えれば音楽家になっていたかも知れなかった!」

まず、渡邊先生オススメのスポットから!

●聖ペテロ・聖パウロ大聖堂(ブルノ)

ブルノの丘にそびえ立つ大聖堂、空に突き刺す2本の尖塔はどこにいても見える。この大聖堂で、あの「ミュシャ」が聖歌隊として歌っていたのでした!あまりに大きすぎて、全体像の写真が撮れない(^^;;
どこからでも見える大聖堂の尖塔はブルノのシンボル!

●聖トマーシュ・アウグスティノ修道院(メンデル博物館)(ブルノ)

修道院は、モラヴィア地方では珍しいレンガ造り。ここにヤナーチェクも住んでいて聖歌隊員を務めていた。メンデルが亡くなったときにヤナーチェクが指揮?聖歌?演奏?をしたらしい。教会内部の撮影ができないのが残念なくらいに、ゴシック+ネオゴシック+アールヌーボーの装飾が美しかった!
アウグスティノ家の紋章はハートと本と炎。こちらも撮影禁止だが27000冊もの蔵書をかかえる図書館があり、一般公開の 部屋以外に奥の秘密の書庫にも案内してくれました(^^)。アウグスティノさんはかなり勉強家だったようです!
お土産にエンドウ豆のピアスはいかが?(笑)

●レドゥータ劇場(ブルノ)

モーツアルト一家がオロモウツから帰る途中に立ち寄り、現地の楽師とピアノ協奏曲を共演した、元タヴェルナ(宿兼食堂)。
前にあったこの像は、きっとモーツアルト…顔だけオッサンぽいが(^^;;

●マーヘン劇場(ブルノ)

1882年完成、ヨーロッパ初の全電気照明を備えた劇場で、1911年エジソン来訪。1938年ロミオとジュリエットを世界で初演。

●ヤナーチェク劇場(ブルノ)

1965年、チェコ人のための威厳ある劇場が設立。現在改築工事ちゅうでした(^^;;
脇にはヤナーチェク像…のはず。カトちゃんと間違えそうでした(笑)

●ベセダ会館(ブルノ)

1873年開館、チェコ人による合唱協会の本拠地。ヤナーチェクが音楽監督になって以降、ベセダのレベルを上げた。1918年このバルコニーから、チェコスロバキア独立宣言が発せられた!現在はブルノ・フィルハーモニー。

●聖ヴァーツラフ大聖堂(オロモウツ)※世界遺産

1141年に司教教会(大聖堂)として指定される。塔の高さは101m、モラヴィア地方で最も高く、チェコでは2番目の高さ。ここではボランティアガイドのお兄さんがいろいろ説明してくれました。「質問があれば、何でも聞いてください」と言われいくつか質問したが、違う話になったりスルーされたり…。そして英語がよく聞き取れない。一緒にいたスコットランド人も「僕も何言ってるかわからなかった」と言っていた(笑)

●聖モジツ教会(オロモウツ)

世界遺産の聖三位一体柱があるホルニー広場のすぐ近く。大聖堂ではないが、かなりの迫力。中がとても美しかった!
この教会の目玉は1400本ものパイプオルガン。モラヴィア地方最大。見えないが、鍵盤が五段になっている。

●クロムニェジーシュ宮殿※世界遺産

オロモウツ大司教の離宮。庭園も美しく世界遺産指定されている。城の塔の上からクロムニェジーシュの町を見下ろしながら、当時の権力配置図を想像していた。
同じ町にあるフラワーガーデンも世界遺産。映画アマデウスの撮影に使われた。ここのバロック式庭園がヨーロッパじゅうの造園に影響を与えた。
この日、庭園では偶然コンサートの準備中で、練習風景を見させていただきました(^^)♪※クリックしたら動画になります♪

ちなみにクロムニェジーシュは大変でした(^^;;
ブルノからもオロモウツからも直通電車がなく、乗継時間は4,5分なのに電車は遅れてくるし、もう、焦る焦る!!しかも英語がほとんど通じない…(泣)

クロムニェジーシュ駅…ぽつーん(><)※写真をクリックすると動画になります、私が大変だった気持ちわかってくれると思う…(^^;;

電車が来た時、すでに5分遅れ。乗継時間は4分しかない。ということは、Too Late?
唯一英語ができる(イケメン)駅員さんに「私泣きそう」と言っていたら、そのまま電車に乗り込んできて、乗継駅に着くと「僕が案内してあげるから。乗継の電車には電話いれておいたから、安心して」と…。えー!そんなことまでしてくれるんですか!?どうしましょう!!
イケメンに優しくしていただいて、天にも昇る気持ちでブルノまで無事帰った私でした(^^;;

ちなみに、毎日ことあるごとにその辺の人に尋ねまくっていたのですが、偶然なのか、英語ができる人は「イケメンが多い」!しかも皆、優しい!!
モラヴィア地方はイケメン天国か!?

これだけでも、モラヴィアへ行く価値は大いにあります(爆笑)

そんなバカなことを言ってないで、写真続けましょう!

【パイプオルガン特集!】
あまりにたくさん教会を訪問したので、どれがどれだかわからなくなりました(^^;;
シンプルなものから、重厚な芸術作品ものまで!
そして、サブのオルガンから、昔使っていた保存ものまで!!

【ステンドグラス特集!】
これもまた、教会の醍醐味。
美しいガラスの装飾を通して優しく入り込む光を見ながら、静かに当時を思い浮かべることができますね(^^)

そして食文化について!

チェコは西のボヘミアと東のモラヴィアに分かれ、プラハはボヘミア地方。よく「チェコ・ビール」が有名と言いますが、それはボヘミア地方のことで、モラヴィア地方は実は隠れたワインの産地なのです!!赤・白・ロゼ・スパークリング、しかもスロバキアではトカイワインまで!日本では聞いたこともないような銘柄も多数お目にかかり、毎日食事が楽しみであることこの上ない!
お薦めは白!各種コンクールで優勝したワインが続々!!

朗報!
次回7月7日の「教会と音楽セミナー/北ドイツ編」では、今回チェコで仕入れてきた白ワインを皆さまにおすそ分けいたします!!

これです!ブルノのワインコンテストで優勝!

ワイン片手に、ドイツ・バロックのお話に聞き入りましょう~♪
お申込みはこちらから↓
http://i-travel-square.tokyo/seminar/church-music/

知られざるワインの名産地、ミクロフ!!

今回、渡邊先生ネタ以外で、実はチェコ観光局さんに相談したら「ワインが好きならぜひミクロフへ」と紹介くださったので、「ならば行ってみるか!」と決心。

ところがこれがまた、たいへんな道中でした(苦笑)

まずガイドブックに載っていない。
ネットでいろいろ調べ、およその行き方を把握。
そしてミクロフに宿をとり、鉄道で行こうとブルノ駅で切符を買ったまでは良かった…

まず最初の困難は乗継駅(まただ!)。
乗継時間5分予定のところ、案の定電車は遅れる。2分遅れ。乗継駅に到着し3分しかないのに、ホームがいっぱいあって、案内はぜんぶチェコ語で、どこかわからない!!やばい!!
人間って切羽詰まると信じられない力を発揮しますね(笑)
たくさんの人の中から、この人なら英語できるかも!という若い男性を探し当て、持っていた切符を見せて「この電車に乗りたい!」と必死にアピール!!
すると男性は、「ああ、この電車ならあっちだ」と指さす方を見てみると…

人里離れた番外編ホームにポツンとまっていた2両編成の田舎電車。
こりゃ、わからんわ!!

地元の人しか載っていないレトロな電車。エアコンがなく、窓を開けても暑かった…

そしてまだまだ冒険は続く…希望していないのに(^^;;
とりあえず乗継できたと安心していたら、検札に来た車掌さんが切符を見て「ああ、この駅で降りて、バスに乗り換えて行ってね」と英語の単語を並べながら言い出す。※実際には駅名を指さしながら「チェンジ バス」としか言ってないが、意味は分かった…(^^;;
しかし、意味はわかるが、そんな話聞いてないぞ!!どうなってんの???
焦りまくった私を見かねて、近くに座っていた中学生ぐらいの男の子が英語で通訳してくれました。
どうやら電車は途中までしか行かないらしく、バスが代替手段となっているそうだ。
ブルノの駅でそんな話聞いてないし!

電車を降りてゾロゾロとバスに向かう乗客。そんな話聞いてないし!焦るわ~(^^;;

さらにバスに乗り込むと地元の人ばかりで、東洋人なんて見たこともない子供たちがわざわざ後ろ向きに座って私の一挙手一投足を見て、キャーキャーはしゃいでいる。子供だけでなく、大人たちもみんな私に注目している…恥ずかしいったら(^^;;

見たこともない東洋人に興味津々の子供たち(^^;;

いろいろ話しかけてくれるがぜんぶチェコ語。まるでわからず、仕方ないので、私は勝手に「私はワインが好きで、ミクロフがワインの有名な土地だと聞いてやって来ました」と英語でしゃべりだす。「ワイン」が通じず「VINO」と言ったら分かったようで、その後は隣のおじさんが主導で「この辺はワイナリーがたくさんあるぞ、ワインは最高に美味しいぞ!」(←たぶんそんなことを言っている)なんて、楽しくおしゃべり(にもならないが)しながら目的の駅にようやく到着できました。

あー。片道だけでも、ヘトヘトに疲れたわ(^^;;
なぜ電車があの駅までしか行かなかったのか謎だが、そんなこと構わず、帰りは素直にブルノ直通バスにした…

そんな大変な思いをして到着したミクロフ。
何があるか?
ワイン以外はたいしてないが、観光客が少なく(多くがチェコ人の観光客)、地元の人は素朴で、食べ物ともちろんワインも美味しくて、景色が美しく、なんかのんびりできていい感じの町でした!

ヤギの城と呼ばれる塔の上からの景色が最高でした!

動画:ヤギの城からみた360度ミクロフ!

曇り空だけど、お城を中心に広がる茶色い屋根の家々
わざわざ登ってきた丘の上のサンセバスチャン教会もよく見える!
そして珠玉のミクロフワイン!
美味しくて、飲みすぎて、こんな感じ(^^;;
ミュシャはミクロフがとても気に入って、長らく住んでいたそうです。アルフォンス・ミュシャ通りもあるぐらいだから!彼も飲みすぎて公園でゴロンと寝ころんでいたかは謎…(^^;;

そういうわけで、1泊2日の短い滞在でしたが、かなり満喫できました!
今度は季節を選んで、ワイナリー巡りをしてみたいものだ(^^)

帰りは決意どおりにブルノ直通のバス。あまりの疲れで寝てしまい、運転手さんが「グーテン・モルゲーン!」と起こしに来てくれました、恥ずかしい…(^^;;

ブルノの巨大なバスターミナルは鉄道駅から歩いて10分ぐらい

チェコは英語が通じない代わりに、ドイツ語がけっこう浸透しているようです。
それもそのはず、しばらくハプスブルク家、そしてドイツに支配されていましたからね。
ソ連時代もあったのでロシア語もわかるようだけど、ソ連にあまり良い感情は持っていないのか、ロシア語を話す人は一人も見かけなかった。
バスの運転手さんに「ありがとう、さようなら」とお礼を言うと、「アウフ・ヴィーダーゼーエン」と手を振って行ってしまった(^^)

ヘトヘトの私を迎えてくれたホテルの日の丸!

その他、お気に入りの場所をご紹介しましょう!

●青い教会(ブラチスラバ)
外壁から内装まで、なにもかもが水色の可愛い教会(^^)

●デヴィン城(ブラチスラバ近郊)
ドナウ川と支流のモラヴァ川の合流地点にあり、かつては戦略的に重要な位置にあったが、1809年にナポレオン(フランス軍)に攻め落とされ、現在は廃墟となっている。廃墟好きにはたまらない場所!!

お城の周囲の沿道から見上げると、こんなのも…あの離れの塔には、どうやって辿り着いていたのだろう、敵も味方も…(^^;;
実はここに「鉄のカーテン」と書いた慰霊碑がありました。ソ連時代に隣の民主主義のオーストリアへドナウ川を渡って逃げようとした人たちを狙撃したそうです。ちょうどここがドナウ川を渡りやすい場所だったらしく、多くの人が生死をかけて自由を求めて挑戦していたらしい。悲しい場所でもありました。碑についているのは銃弾のあと。生々しかった…

●トゥーゲントハット邸(ブルノ)※世界遺産
ドイツ人建築家ルードヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ(長い…)により建てられた近代建築の名作。直線と有機的なカーブの組み合わせ、陽光を取り入れる大きなガラス窓など、建築家がうなる美しさ。(我が建築ツアーの三村先生も、羨ましがっていた!)
残念ながら映画撮影のため、私が行った週は一般公開していなくて中に入れませんでしたが、それでもしつこくあちこちから覗き見して撮影した力作です!(笑)

【食い倒れ特集!】
今回もよく食べました!
なにしろ美味しいのはもちろん、お値段が前回(ノルウェー)の半額以下という有難さゆえ(と言っても、日本よりちょっと安いぐらい)、何の心配もなく遠慮もなく食べて飲むことができた、この幸せ!!

スロベニア王室御用達のロフリーク。これは一度で十分かな(笑)

毎日ほぼ2万歩前後も歩いていたのですが…
帰国したらまたしても2kg増えてました。
そりゃ、これだけ食べてれば、当然か…(^^;;

観て、乗って、歩いて、食べて、お喋りして…
旅はやっぱりこうでなくちゃ!!

いかがでしたか?
あまりにたくさん訪問しすぎて、このブログだけで「モラヴィア博士」ですね(笑)

今回の視察で、「モラヴィア・ワインツアー」を組もうと決心!!
今後のお知らせを、ぜひお楽しみに(^^)
そして、次回はぜひ一緒にモラヴィアの宝を堪能しましょう~♡

旅行・セミナーのお申し込み・ご相談はこちらまで↓

Email info@i-travel-square.tokyo
Telephone 03-6706-4700 (平日10時~18時)

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